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コミティアオフィシャルガイドブック「ティアズマガジン VOL.42」(1997/11発売)

  • (p.6全面に、同人誌「ののの」についての感想掲載)
  • 「バランスのとれた「線」たちが生み出す魅力」
  • 「花屋の店長・うららさんとアルバイトの凛さんのホンワカした日々。商業誌に掲載された「街角花だより」をはじめとした、こうの史代の個人集」
  • 「小学生の頃遊んだ公園での出来事。/夕飯時に足早に通った商店街。/そして茜色に染まった空。/「ののの」を読んだ後、ぽっかりとそんな情景が脳裏にあらわれました。/どこにでもあるような商店街にある、お花屋さん。ここにくるお客さんと、店主のほんわかなうららさんに、店員の勝気で美人のりんさん。そして忘れてならないお花たち。この「街角花だより」は、日常的でいて坦々とした空気が、ゆっくりと流れている、ショートストーリーの連作です。作風のせいでしょうか、とても懐かしい気持ちを呼び起こしてくれます。/もう一つ好きな作品があります。「ありがた屋のよいちべえ」という、テレビアニメの日本昔話に出てきそうな作品です。よいちべえという、なんにでも「ありがたや」と言う男がいて、最後はお侍に刀で切られてしまいます。/でも、切られる直前まで、目の前に出された刀の刃を見て、「なんてきれいなんだろう。ありがたや」と言いながら死んでいく・・・。/すごく真正直な奴だけど、最後の最後まで、自分の気持ちに正直な人を見ると、なんだかうらやましい気持ちになってしまいました。反面、この話を読めば読むほど、もの悲しい気持ちになってくるのはなぜなんだろう」(コミティアスタッフ)
  • 「こうの史代氏の漫画の魅力は、手描きの線=フリーハンドの魅力だ。枠線以外に定規で引いた線はなく、スクリーントーンもほとんど使っていない。服の色も、髪の色も、空の色も、影も、建物の線も、街の風景もすべてフリーハンドで描かれているのだ。それは計算され鍛錬されつくした線の表現と配置であり、そしてそれが彼女の絵の大きなポイントになっている。/絵を構成する「線」は、数多くあるその中の一本でも「異(ちが)うもの」があると、とたんに画面のバランスが崩れてしまう。そのこわい「線」で埋めつくされているにもかかわらず、こうの氏の漫画の一コマ一コマは目に違和感なく次々に飛び込んでくる。そしてバランスのとれた「線」たちの画面の中に、人の手では作りえない効果を狙ってのスクリーントーンが使われていて、それがかえって画面に緊張感を与えているのだ。/こうしたこうの氏の線や画面のバランスの取り方は、緻密に計算されたアーティストのそれではなく、ひたすらに描き続けてつかんだ職人の技だ(もちろん、もとからセンスはいいのだと思うが)。このことは人物の描き方を見てもわかるように、漫画にはよくありがちな、ちょっとデッサン狂っていると思わせる不慣れさが全然ない。迷いのない線でさらりと描かれた登場人物たちはけっして崩れることがないのだ。こうの氏はここまでくるのにどれくらいの時間ペンを握り続けたのだろうか?画面の緻密さや手間のかかりぐあいにではなく、鍛錬の時間の長さに頭が下がる。/ストーリーについていえば、この絵に合ったほのぼのとしたお話が心地いい。ひとつの作品としてきっちりできあがっている。ただ、このほのぼの加減が個人的には少し物足りない気もする。作品中そこここに見られる女の色気や登場人物たちの微妙な関係、「ありがや屋のよいちべえ」での主人公を殺してしまう作者の悪意など、「こうの氏はもうひと含み持っている人なのでは」とカンが知らせているので、そのあたりを出した作品も読みたいと思う。/読み終えた今、10〜20年くらい前の漫画がこのような描き方だったのを思い出している。服や壁紙の模様、建物や食器の影を手で描き込んでいた。最近ではこのような絵を見ることが少なくなった。昔はよかったというつもりはさらさらないが、マニファクチュア的な職人芸の漫画がもっと読みたいと切に思うのだ」(コミティアスタッフ)

コミティアオフィシャルガイドブック「ティアズマガジン VOL.42」のインタビュー記事

  • p.16・17にインタビュー記事
    「こうの史代(の乃野屋)−私の人生、マンガ抜きには語れないんですよね−」
    「前回のコミティアに初参加のこうの史代さん(の乃野屋)は「漫画アクション増刊」
    (双葉社)で描いているプロの漫画家さん。その作品集「ののの」は「街角花便り」
    という同誌上で連載したものを中心にまとめられています(P6参照)。読書会
    アンケートでトップになったこの作品集を中心に話をうかがいました」
    −「「ののの」という本は、ハガキアンケートより読書アンケートでダントツ1位
    だったんですよ。これは初参加で会場ではまだそんなに認知されなかったけど、見本誌
    がずらりと並んでいるなかで特に目立ったということですね」
    こうのさん(以下、こうの)「あ、そうなんですか。ありがとうございます。なんか、
    嬉しいですね」
    −「もともと即売会とか出ることを考えずに本作られたんですか?」
    こうの「ええ、そうです。知らなかったっていうのもあるし、あと怖いっていうのが
    あって。(笑)やっぱりアニパロとかのイメージがすごい強かったもので、絶対出ない
    と思ってたんですよ。で、本屋とかに置いてもらえればいいなあとか。友達に配ったり
    とか。それでなくなるだろうと思ってたんですよ。そしたら友達の勝尚哉さん(こうの
    さんの友人。コミティアの常連でティアズマガジン vol.40にもインタビューで
    登場)に誘われてコミティアに出たんです」
    −「こうのさんはキャリアが長そうですがマンガを描き始めたのはいつ頃ですか?」
    こうの「中学生くらいの時から本格的に描き始めて、途中休んだりしたけど、大学で
    漫研に入ったせいでわりと描くようになって、みんなにうまいとか言われて天狗に
    なって。(笑)それで本格的にやろうと思い、8年ぐらい前に当時住んでいた広島から
    上京しました」
    −「じゃあ、プロ目指してって感じ?」
    こうの「なんか、あまり私本人はそう思っていなかったんですけど、周りがわりと
    そんな風に決めつけてくれたんで、私もそういう気分になれた感じですね。こちらに
    来てずっと同郷のとだ勝之さん(月刊マガジン)のアシスタントをしていた時期が
    長かったですね」
    −「なんで「漫画アクション」を選んだんですか?」
    こうの「すごいミーハーなんで、もし行ったらジョージ秋山とかに会えるんじゃ
    ないかとか。(笑)そうしたら1人気に入ってくれた編集さんがいて、しばらく通って
    いるうちに増刊の方でとりあえず本に載せて読者の反応を見ようと言ってくださって」
    −「では、もしかしてこれがデビュー作なんですか?」
    こうの「ええ、そうです。結構いい加減な本なんですよ。(笑)ネーム持って行ったら、
    もう次のやつに載せようとかいうことにいきなりなってまして。(笑)」
    −「デビューするまでの期間が長いとたくさん作品を描かれてますよね。ぜひ見てみた
    いのですけど」
    こうの「見せられないんですよ、下手で。(笑)下手なのはしょうがないと思うんです
    けど、つまんないんですよ、不思議なことに。(笑)漫研時代に描いてたのはそれなり
    に自分の路線があって、下手だけど、まあそれなりなんですよ。だけど問題はこっちに
    出てきて商業誌に持ち込んだりしたマンガが途端につまらないんです。個性が出てない
    っていうか個性を出そうとしてムキになってた部分がすごくあったんですね。自分の
    本当に描きたいものじゃなくて、自分がこんな漫画家になりたいっていう気持ちの方が
    強かったような気がするんです。「こうの史代にしか描けない漫画を描く奇才」として
    受け入れられたい、と思うあまり描けなくなってしまった。もし、そこで商業誌で
    デビューしても、たぶん駄目だったと思うんですよ。そういう自分が受け入れられると、
    もっと自分らしくしなきゃいけないとか考えて結局行き詰まったと思う。だから今の私
    でデビューできて良かったなあ、とかちょっと思っているんですけど」
    −「「街角花便り」の面白さはプロの仕事という感じがします。絵がすごくうまいのと、
    特にキャラクターが立っている。いわゆるクオリティーの高さが他と一段違う」
    こうの「だんだん出来てきたって感じです。同人誌だと自分が好きな時に描くから、
    最初は突っ走ってあんまりキャラクターが出来ていなかったりするじゃないですか。
    これは毎月だったのでだんだん自分の中でキャラクターが出来てきたんですね。それに
    つらいなと思っても、自分の好きなキャラを描いていると、この人たちも頑張ってる
    んだから頑張らなきゃとか思って、それで頑張れたって感じですね。なんか、5ページ
    ずつの連載で言うのも変ですけど。(笑)」
    −「キャラクターとエピソードがしっかり噛み合って、お話の構成もうまいですね」
    こうの「やっぱり、そのページの制約っていうのがあったからだと思います。効果的な
    エピソードをなるべく少ないページ数で見せたいっていうのがずっとありまして。
    たぶんいきなり45ページだったらそれは出来なかった気がするんですよ。5ページ
    ずつに小分けしてあって毎回完結してるのが大きかったかなあと、すごく思いますね。
     あと話と言っても、私はハラハラドキドキするような話じゃないでしょう。私はわり
    とお話は普通にしたいっていうのがあるんですよ。お芝居の世界でドラマとプレイって
    いう2本柱があって、ドラマはストーリーなんですよね。それで見せるものは、次どう
    なるんだろうって感じでハラハラドキドキしたり、今度は違うやつを見に行きたいって
    思わせるものなんだけど。プレイっていうのは、もう話は決まっていて、それをどう
    演ずるかっていう方におもしろさを見いだす感じですね。で、西洋の劇っていうのは
    たいがいドラマが主体だけど、日本の能とか歌舞伎っていうのはプレイが主体なんで
    すよ。話は決まってるのに、みんな見に行くじゃないですか。それはプレイを見たくて
    行くのかなと思いますけど。私もどっちかっていうとプレイを主体にしたい。分かり
    やすくてすごい単純なストーリーを作っておいて、それをキャラクターで膨らませて
    いったり、絵で膨らませていったりとか、できればいいなと思ってるんです」
    −「こうのさんがこれから目指す方向はどうなるのでしょう?」
    こうの「「街角花便り」は自分でも結構頑張って描いたんですよ。で、次回これだけの
    レベルの高さっていうのは出せないかもしれない。こんな2年前のものでも、やっぱり
    それは自分の絵が固まってきてる証拠だと思うんです。だけど、ここでもっと良いもの
    を描いて見せたいという風に考えるとまた描けなくなっちゃうし、一方で、「職業漫画
    家」として埋没してしまう恐怖もある。ようはひとえに自分に対する信用のなさですね。
    読書を、そして自分を、裏切っても裏切っても平気なぐらいの自信と実力を私は持てる
    ようになりたいです。
     とりあえず今は、自分で読みたいものを描きたいっていうのがすごくありますね。
    私にとって大事なのは、商業誌に載っていろんな人に読んでもらったり、人に良いって
    言ってもらうことより、自分で一生描いていけるかどうかってことの方だって気がする
    んです。だから、そう思うと前より下手になったねとか言われてもいいから描きたいし、
    それでも許してもらえる発表の場っていうのを自分で作りたい。同人誌の世界って、
    私はそういう風に自分の中で位置付けたいと思うんです。コミティアでも、青木光恵
    さんとか内田かずひろさんとかプロの方でも自分のマンガ描いてる人がいて励みに
    なったし、コミティアで仕入れた本はどれも私にとっては限りなく新鮮で面白いもの
    でしたよ」
    −「そう言われると嬉しいです。これからの活躍が楽しみですね」
    こうの「今考えてこると、私の人生でマンガ抜きには語れないんですよ。何で東京に
    出たのって言われると、やっぱりマンガ描くためだし。アシスタント辞めてバイトやり
    始めた時とか、人にこれまで何やってたと聞かれると、マンガ家のアシスタントやって
    たとか答えて。あ、マンガ抜きには語れないなとか、すごく思いましたね。それにまあ、
    今までろくなもの描いてないっていうのがあって。1個だけ良いのが描ければっていう
    より、自分で読んでおもしろいものをずっと描いていきたい。あまり格好良くはないけど、
    やっぱり細く長く描いていきたいですね」

コミティアオフィシャルガイドブック「ティアズマガジン VOL.66」(2003/11発売)

  • (p.18全面に、同人誌版「夕凪の街」についての感想掲載)
  • 「*コミティア65(2003年8月31日開催)ではコピー版の見本誌のみ発表。
  • 「週刊アクション」9/30号に掲載。コミティア66にて同人誌として刊行」
  • 「1955年、広島のスラム街が舞台。小さな幸せに後ろめたさを感じながら健気に生きる女性・皆実の物語。目に見える原爆症の悲惨さは今の教育でも不完全ながら教えられるが、心的外傷、差別などの精神的苦痛は当事者以外にはなかなかわからないし、伝えるのも辛い。それを乗り越えたり、抱えたりしながら、今でも苦しみながらもがんばって生きている人がいる。それを伝えたいと思った。/漫画的な表現の中のコマの1つ1つ、台詞の1つ1つにずっしりと重みを感じる。凄い」(東京都・治田直也)
  • 「読み始めてしばらくは、何気ない日常の風景の中の、ほんわかとする一瞬とか、ふと胸を痛めたこと、などをフワリと描いた作品かと思いました。/でも、読み進んで行くと、いきなりズシリ、と胸に鋭くささるページがあり、その後もズシリ、ズシリ、と来て・・・。何度かページをめくれず、止まってしまいました。涙をふくために。読後しばらく、現実世界に戻れなかった感じです。そして、2度目に読み返した時に気付いたのです。冒頭の何気ないシーンの数々に、全て重い意味があったのだ・・・と。/ジャンル分けするなら反戦マンガではあるでしょう。原爆を初めとする核兵器への、静かな、そして深く重い抗議の作品でもあるでしょう。けれど私は、これは優れた恋愛マンガでもあると、思うのです。小道具を巧に使った告白のシーンのうまさ。その後の主人公の心理・・・。優れた恋愛マンガには普遍性があります。それは「ありきたり」とか「ありふれた」といった意味ではありません。現在の読者は、こんな過酷な体験や思いは、滅多に抱えるものではないでしょう。けれど心のどこかで知っている。主人公と同じ辛さを。そう思わせる、そんな心の奥深くの普遍性のことです。/もう1つ特筆すべきは、爆弾を落とした側と落とされた側の心のギャップ、それによる心の傷を、読者に「実感」させたところ。した側とされた側の心のギャップという点にもまた、普遍性を感じさせられないでしょうか。/「生き延びてしまうことの心の傷」は、その昔、樹村みのりさんの「解放の最初の日」で初めて見せられ、衝撃を受けたものですが、この作品はそれにプラスされた衝撃を読者に「実感」として与えました。/けれど、「夕凪の街」は、「悲惨な物語」ではあっても「陰惨な物語」ではありません。人に受け入れられる喜び、それを確かな筆致で描いているから」(東京都・笹生那実)
  • 「実に、本年のマンガ界の最大の収穫だと思います。まだ私の中でうまくまとめられずにいるのですが、これまで読んだ多くの「体験記録(広島にかぎらず)」でどうしても掴みきれず悩んでいた部分がやっと解きほぐせてきた思いです(むろん糸口にすぎませんが)。そういう意味でこの短編は多くの記録文学を凌いでおります。マンガの未来は洋々ですね。また1人、尊敬する漫画家が増えました。うれしいです」(東京都・みなもと太郎)
  • 「読了後、私のなかでもこの物語は完結しませんでした。むしろそうさせないまま、先の時代に継いでいくことこそが大切なことなのだと思いました」(神奈川県・るとるとる)

コミティアオフィシャルガイドブック「ティアズマガジン VOL.70」(2004/11発売)

  • p.14 同人誌「かっぱのねね子」についての感想掲載
  • 「こんなぶっとんだギャグも描けるのかと、感心してしまいました(「夕凪の街」から
    入ったので)。素(?)の時のかわいい顔と、それがくずれた時の顔のギャップが笑
    えます。わがままなかっぱの娘のねね子の物語。面白いです」(神奈川県・佳世)

「週刊金曜日」2004年11月12号 No.532(株式会社金曜日/500円)

  • p.38に、「夕凪の街 桜の国」の書評
  • 「安易な感動や安易な涙を拒ませる」(評者・渡辺水央/フリーライター)
  • 「「しあわせだと思うたび 美しいと思うたび/愛しかった都市のすべてを
     人のすべてを思い出し/すべて失った日に 引きずり戻される/おまえの住む
    世界は ここではないと 誰かの声がする」
     この連作集「夕凪の街 桜の国」の詩情溢れるコマ絵と叙情溢れるセリフを
    前に、単純に感動と涙でページを閉じられたらどんなに楽か。いや、本作は実際、
    激しく心を打つのだが、安易な感動や容易な涙を拒ませる。決して気持ち良く
    浸れないし、浸ってはいけない。だからこそ本作は美しくも凛々しく、
    激しくも哀しい。
     昭和30年が舞台の「夕凪の街」の主人公は、皆実という広島の女性だ。
    和気あいあいとした会社の場面から物語は始まり、恋の伏線が張られ、家路に
    就く彼女が描写される。皆実は家近くまでくると、「死んだはずだよ」と
    「お富さん」を口ずさむ。その川べりは「原爆スラム」と呼ばれた集落。
    ここで物語は、10年前の悲劇との先彼女に訪れる悲劇を予感させる。あの日に
    蓋をして新しく歩き始めている母娘。過去に躊躇(ちゅうちょ)しながらも
    深まっていく同僚との仲。それが淡く優しいタッチでつづられる。そして幸せ
    の絶頂の中、皆実の身体の力は抜けっぱなしになり・・・・・。
     感動や涙は心の満腹中枢を刺激して、思考を停止させてしまう。しかし悲劇
    はその血縁者たちが登場する「桜の国」で現代へともちこされ、ページを超えて
    私たちに訴えかけられる。その題材の骨太さと語り口の細やかさ。どうかそれに
    胸を痛めてほしい。感動と涙に転びそうになるのを我慢して、あえて胸を痛めて
    ほしい。そういう問題作にして渾身の名作だ」

「サンデー毎日」2004年11月28日号

  • p.127「サンデーらいぶらりぃ/村上知彦 大人のまんが」で、
    「夕凪の街 桜の国」の書評
    「遠い戦争の影 描く珠玉の作」
    「短くとも珠玉と呼べる本作が、内容にみあう器に盛られ、多くの読者の前に
    差し出されたことを喜びたい」

雑誌「CDジャーナル」2004年12月号

  • 「特集 冬のラブ・ソング」扉絵・こうの史代
    「楽しかったり、悲しかったり、こんがらがったり、ゆっくりだったり、急いだり・・・。
    ラブとソングには多くの共通点があります。共通点どころか、これだけ似ていると
    「ラブ」=「ソング」と言っていいかもしれません。ここでは古今東西ジャンルの壁も
    超え、世の中にあふれるさまざまなラブ・ソングの、形や愛で方を紹介します。
    赦しも憎しみもラブ」

「SPA!」2004年12月28日・2005年 1月 4日合併号(扶桑社) 

  • p.141「book&comic」で、「夕凪の街 桜の国」の書評
    「本年度マンガ界の大いなる収穫。100万人に読んでほしい「ヒロシマ」の物語」

「日経クリック」2005年 1月号 No.154

  • p.192「EnCL!(エンクリ!)/Comic!」で、芝田隆広氏による
    「夕凪の街 桜の国」の書評
    「今だからこそ読みたいヒロシマの物語」
    「マンガ表現的にも素晴らしく、戦争体験のあるなしにかかわらず、広く読まれてほしい
    珠玉の一作」

「映画秘宝」2005年 1月号(洋泉社)

  • p.116「大西祥平のニュー漫画大学 秘宝分校/新境地の実力派ほのぼの(?)
    漫画家こうの史代先生インタビュー!」
    「漫ぶらぁ〜も泣きました(本当)!ヒロシマの悲劇と被爆2世差別にまつわるドラマを、
    かつてないまろやかな視点で描き出し、各メディアから絶賛相次ぐ珠玉の傑作
    「夕凪の街」&「桜の国」トリロジー。日常系ほのぼのマンガの達人が、突如青年誌に
    発表した戦争漫画のマスターピースに込めた想いとは!?」
    (「漫ぶらぁ〜」こと大西祥平氏は、押切蓮介先生の「でろでろ 第4巻」(講談社
    ヤンマガKC)でも、作品解説を書かれています)

「ダ・ヴィンチ」2005年 1月号(メディアファクトリー)

  • p. 8** 9「今月の絶対はずさない!プラチナ本」で、「夕凪の街 桜の国」の紹介
  • p.226**227「マンガ狂につける薬 第120回」で、呉智英氏(くれ・ともふさ/評論家)
    による「夕凪の街 桜の国」の書評

「このマンガを読め! 2005」(フリースタイル)

  • p. 2** 16 「発表!ベストテン」
    p. 8 「夕凪の街 桜の国」が第3位(29点)にランクイン
    大西祥平氏(ライター・漫画原作者)、ヤマダトモコ氏(マンガ研究者)、
    竹熊健太郎氏(編集家)によるコメント

「文藝春秋」2005年 2月号

  • p.376**377「BUNSHUN BOOK CLUB/今月買った本/36・児童性愛の闇を
    暴く」で、斎藤環氏(精神科医)が、「夕凪の街 桜の国」について言及
    「いっけん素朴な筆致の純愛物語としても読めるだけに、読んで泣く人もいるだろう。
    しかし、泣けば忘れてしまう。その時は私のように再読・再々読すべし」

2005/02「平成16年度(第8回)文化庁メディア芸術祭受賞作品集」(非売品)

  • こうのさん、「夕凪の街 桜の国」でマンガ部門大賞受賞
  • p.53 贈賞理由・こうのさんからの受賞コメント・こうのさんのプロフィール

「ダ・ヴィンチ」2005年 3月号(メディアファクトリー)

  • p. 5に、「夕凪の街 桜の国」の広告

「漫画アクション」2005年 4月 5日号 No.08(双葉社)

  • p.296「アクション・ジャーナル 2005年 4月 5日号 No.23」
    「観客席の暗がりから「夕凪の街 桜の国」の余白に」/石川翠氏(いしかわ・みどり
    /美術批評家・文星短大非常勤講師)による、「夕凪の街 桜の国」の書評、
    そして、2月26日(土)に開催され、こうのさんも出席された「平成16年度(第8回)
    文化庁メディア芸術祭マンガ部門シンポジウム」についてのコメント
    「「夕凪の街・・・」について書きたいことはまだ、山ほどある。
    たとえば、七波の再生のドラマが実は、核時代に生きるぼくたち全てが辿らなければ
    ならない、人類共通の道程であることなど。けれど紙数が尽きた。それについては、
    また別の機会に譲りたい」

2005/04「書標(ほんのしるべ)」(ジュンク堂書店)

  • p. 2** 3「著書を語る 396/夕凪と桜の日々」
    こうのさん、「夕凪の街 桜の国」について語る

2005/04「別冊美術手帖5月号 季刊コミッカーズ 春号」(美術出版社)

  • p.30**35「こうの史代「夕凪の街 桜の国」のネームを特別公開!」
  • p.134「プレゼントコーナー」こうのさんのサイン入り「夕凪の街 桜の国」、
    おまけ(下書き用紙で作った折り鶴)つきで2名様にプレゼント
    (応募はすでに締切)

2005/04「少年文芸 Vol.01」(新風舎)

  • 短編「ストポ」掲載

2005/05/05(木)コミティアオフィシャルガイドブック「ティアズマガジン VOL.72」(2005/4/17発売)

  • 表紙・こうの史代
  • p.35**40「原画展開催記念 こうの史代インタビュー」(インタビュアー・中村公彦氏)
  • p.41**43「こうの史代さんへ たくさんの作家仲間からの応援メッセージ」

「週刊ポスト」2005年 5月 6日・ 5月13日合併号

  • p.190「味わい本 発見!」
    「原爆被害者が投下者に向けた鋭い刃が私たちをも刺し貫く」/平岡敬氏(前広島市長)
    による、「夕凪の街 桜の国」の書評
    「これは、60年前の出来事の回想ではなく、核の不安を抱え続ける未来への
    警告である。同時に、自らが経験することもなく、目撃者として立ち合うことも
    なかった出来事の記憶を、人々はどのように受け取るか、というヒロシマが直面する
    困難な問題への1つの答えでもある」

2005/06 雑誌「STUDIOVOICE」(INFASパブリケーションズ)2005年6月号(Vol.354)680円

  • 特集「最終コミックリスト200」
    ※絵:雑誌ページ(雑誌中の扱い←作品中の位置・内容)
     pp20**21(特集の見開き←表紙・川沿いを歩く皆実)
     p36(挿絵←中扉・フタバ前の二人)
    ※書評p41(No106)
    (以下引用)
     ”ローカルな悲劇”
     『夕凪の街 桜の国』/こうの史代/双葉社 
      教育のせいか、はたまた国民性(?)か……近年もな
     おアジアの隣人たちが日の丸を燃やし、日本政府の”歴
     史観”を指弾し続ける一方、われわれがアメリカを呪い、
     星条旗を破り、ディズニーランドに卵を投げつけること
     など、まず考えられない。ヒロシマ(そしてナガサキ)
     というローカルの悲劇として終熄しつつある”被爆体験”
     をいま一度、この21世紀初頭にさりげなくつきつける、
     珠玉の「戦後ヒロシマ掌編」。ぜひ、英訳版も! 
                          (木村重樹)
    (引用以上)

2005/06/28 雑誌「エソラ」(講談社)

  • 短編「手紙」掲載(p.121**137)

2005/07 雑誌「Girlie」(アスペクト)vol.6 680円

  • 特集「マンガ再生 2005」の中の中綴じ「COMIC GUIDE」
     ※書評p78 「6 時代」の中に登場
    (以下引用)
     『夕凪の街 桜の国』
     作者_毛利甚八/作画_魚戸おさむ(小学館)注)
     夕凪や桜、という日本の原風景を主軸に「その後の
     ヒロシマ」に暮らす、家族や恋人たちのささや
     かな日常や青春や恋愛を、残酷すぎる現実をあくま
     で柔らかなタッチで描き出す。作者は戦争を知らな
     い世代のヒロシマ生まれ。「この十年の最大の収穫」
     という帯文も納得の一冊。
    (引用以上、該当ページのp78は「執筆者_真下義之」に相当する。)
    注)原文ママ。索引中は正しく記載されていた。

2005/07/03 「ダ・ヴィンチ」2005年8月号

  • p.48**49「「エソラ」ってなんだ!?」
    「手紙/ゆりえ様。なぜわたしはあなたに手紙を書くのでしょう」
    「なぜ、わたしはゆりえさんと仲良くなったのか。なぜ、彼女に手紙を書くのか。
    文章と絵が、それぞれあなたの想像力を刺激する叙情的一編」
  • 「エソラ」掲載の「手紙」について、こうの史代さんのコメント
    「「手紙」は、絵と文章が別々のことを語って、ひとつの事象を表すという、
    漫画でしかできない表現方法をとった実験的作品です。漫画は小説に絵がついた
    ものだと捉えられがちですが、決してそうではないということ、これも「漫画」を
    突き詰めたひとつの形である、ということを、この作品を通して感じていただけたら
    うれしいですね。
     5年前に同人誌に発表して以来、自分の中で温めていたこの作品を今回「エソラ」で
    描いたのは、文章だけで勝負している、小説の中で読んだ時こそ、その意味合いが
    際立つと感じたから。小説と同じくらいゆっくりと読んで味わっていただきたいです」

2005/07/05 雑誌「CIRCUS」2005年8月号(KKベストセラーズ)

  • p.59**63「『戦争マンガ』こそ歴史教科書に!/敗戦後60周年にサーカスが提言!」
    (監修・呉智英氏)
  • p.63 戦後60年記念スペシャルインタビュー「「夕凪の街 桜の国」のマンガ家・
    こうの史代は戦争を静かに語った」
    こうのさん曰く、
    「原爆を落とされるということは、主義主張なんて関係なしに、明日から
    きていけなくなることなのです・・・・・・」
    「次回作には戦時中の日本の姿を描いてみたいと思っています。昭和19年と
    昭和20年に照準を定めて」
  • 呉智英氏のコメント「原爆という不条理に翻弄される人間の真実」

2005/07/07 雑誌「ビッグコミック スペリオール」No.457 15号 7月22日号(小学館)

  • 西原理恵子「営業ものがたり」に手塚賞受賞の記念写真が掲載。しかしマンガには
    こうのさん登場せず

2005/07 「激マンシリーズ(1)10ステップで完成! 今すぐマンガが描ける本」(美術出版社)

(「季刊コミッカーズ」(2005/04発行)記事の再録とまんがの描き方に関するインタビュー)

  • p.50**69 こうの史代 メイキング&インタビュー
  • p.51**53 「こうの史代インタビュー」
  • p.54**55 「Step 01 アイデアを出す」 
  • p.56**57 「Step 02 キャラクターを作る」
          (こうの史代さんのインタビューから、プロのマンガ家のキャラクターを生み出す
           コツをのぞいてみよう!) 
  • p.58**61 「Step 03 プロットを書く・プロットを練る・ネームプロットを描く」
          (こうの史代さんが「桜の国」制作時に書き上げたプロットを、本人の解説と
           ともにご紹介!) 
  • p.62**64 「Step 04 ネームを描く・ネームを直す」
  • p.65 「「桜の国(一)」全ネーム研究(1)」
  • p.66**67 「「桜の国(一)」全ネーム研究(2)」
  • p.68**69 「「桜の国(一)」全ネーム研究(3)」
  • p.70**71 「ストーリー・作画Q&A」
           Q「トーンは貼らないとダメですか?」
           A「そんなことはない。(中略)こうの史代さんの「夕凪の街 桜の国」
             では、トーンは一枚も使われていない。そのかわり、短い線や
             カケアミで、影や空気や遠近感を繊細に表現している」

「日経WOMAN」2005年8月号(日経ホーム出版社)

  • 特集「心に効く、人生に効く100冊」
    p34・35の「笑って泣いて、知恵をくれる大人のコミック10選」に、
    「夕凪の街 桜の国」ランクイン
    「淡々と、じっくりと、「平和」について考えさせる」
    「おすすめ理由/声高に反戦を訴えるわけではなく、普通の女性から人並みの
    日常を奪う戦争の残酷さを静かに伝える。戦後60年である今年に、ぜひ読んで
    おきたい一作です」

2005/07/25(月) 山川直人「口笛小曲集」(エンターブレイン/650円+税)の帯に、

こうのさんによる推薦文

  • 空間コミックビーム:山川直人、単行本2冊同時刊行!
  • 帯(表)「白熱灯や蛍光灯やランプの色の宝もの。
          長年山川さんを好きでよかった。 こうの史代」
  • 帯(裏)「〜「口笛小曲集」刊行に寄せて〜
          たとえば夜の電車にゆられる時、遠くの明かりのひとつひとつに、
          私の選ばなかった町としごと、出会わなかった恋人、これから知り合う友達の、
          優しいいとなみがあると感じたりします。
          この本はそんな、白熱灯や蛍光灯やランプの色の宝もの。
          長年山川さんが好きでよかったです。
          出して下さって有難う! こうの史代」  
  • p.171 「プラットホーム」の扉絵に、「の乃野屋」登場

「Hanako」2005年07月20日号 No.844

(マガジンハウス/340円)

  • p.58 「TOKYO Entertainment」で、「夕凪の街 桜の国」の書評
    「夏が来るたび、なんども読み返してほしい。」
    「幼い頃、じんわり暑い夏休みの昼下がり、家の中の比較的涼しい場所で少し汗ばみ
    ながら読んでいた「りぼん」8月号には、豪華な連載やかわいい恋の読みきりの中、
    時々、戦争やヒロシマを題材にした問題作が入っていた。いつも主人公の少女の悲劇
    に泣きそうになりつつ、一方で、なんかお説教くさいな、とも感じていた。
    でも、テレビの夏の報道特番などより、ずっと心に残っている。読者だった自分と
    同じ年頃の女の子の悲劇だということが、その理由だった。そして、今では夏のたびに、
    戦争と戦後について考えさせられる時間が自然にあったことに、とても感謝している。
     さて、今回紹介する「夕凪の街」は、原爆が投下された戦争末期だけでなく、
    戦後も続いたヒロシマの悲劇を、現代に届く繊細なやり方で描いた作品。主人公の
    皆実は、恋をして幸せになることを後ろめたく思っている。それは、被爆して死んで
    しまった姉や妹にすまない、という罪悪感。年頃の女性が、恋愛を楽しむという喜び
    を素直に受け入れられないのだ。この作品が伝えるのは「原爆が奪ったのは、
    たくさんの命だけではない。人々のそうした当たり前の気持ちまでをも奪ったのだ、
    二重に三重に、いろいろなものを奪ったのだ」という悲劇。しかも、やさしい筆致が、
    戦争の怖さでなく、空しさを伝えていて、説教臭さなどみじんもない。また、主人公が
    大人の女性であるということが、より私の心に響く理由なのかもしれない。
    少女の頃の夏休みに読んだものが、当時の私の心に響いたように。
     本作は、昨年の10月の単行本化以来数々の賞を受賞しており、老若男女、
    誰にとってもまぎれもない傑作だといっていい。自宅の本棚に静かにしまっておいて、
    夏が来るたびに読み返してほしい。」
    (文/ヤマダ トモコ〜川崎市市民ミュージアム漫画部門学芸担当嘱託職員)

2005年07月31日発行 「アルプスの少女ハイジ展〜その作り手たちの仕事〜」

(三鷹の森ジブリ美術館企画展示)パンフレット

  • p24・25 「「ハイジ展」を見て」(こうのさんの寄稿)
    「6月のある日、白い夾竹桃(きょうちくとう)が涼しげに咲いている三鷹の森ジブリ
    美術館を見学しました。
     どちらかというと遊園地のようなものを想像していましたが、意外に落ち着いた
    雰囲気で、「あ、そうか「美術館」だっけ」と思いました。そして見学してみると、
    美術館というよりも、お父さんの仕事場をのぞいた時のような、あるいは漫画の持
    ち込みで雑誌の編集部を訪れた時のような印象を受けました。不思議な生活感と期
    待感に溢れている、とでも言いましょうか。違うのは、書類がすべて色とりどりの
    楽しげな絵だったことと、一見乱雑に見えるもののほとんどすべてが、よく見ると
    私のために用意されているかのようだった、ということでした。
     なかでも、「動きはじめの部屋」が、私は特に気に入りました。ここではアニメー
    ションの仕組みを説明してあります。パラパラ漫画は教科書の隅に描いて遊んだけ
    れど、周りの友達と同様にすぐに飽きてしまったものでした。でも、ジブリの皆さ
    んは、「絵が動く」という事に特別な感動を抱いた、特別な少年少女だった。その
    特別な感動がどんなものであったか、いまあらためてお裾分けしてもらったという
    感じでした。
     「アルプス少女ハイジ展〜その作り手たちの仕事〜」は、視聴者としても、漫画
    の作り手としても大変興味深い展示でした。
     ハイジやペーターの家や村のちいさな模型は、いつまで見ても飽きませんでした。
    同時に忘れてしまって見落としていることも多いのだろうと後で悔しくなるほどで
    した。
     「ハイジ」の本放送の時、わたしは小学校に上がる前で、ハイジとちょうど同じく
    らいの年頃でした。アルプスの美しい風景がとにかく不思議で印象的で、「かわい
    いやつ」(マーモット)と並んで立ってみたいな、とか、ピッチーになってハイジ
    やペーターにとまったり歌ったりしてあげたいな、と思ったことを覚えています。
    二段ベットを買ってもらったばかりでしたので、屋根裏部屋へのはしごを上手に昇
    り降りするハイジを尊敬したりもしました。
     そして何より、フランクフルトでの夢遊病の場面が大好きでした。
     その頃、私は呉市の山の上にある祖父母の家で、夏休みの数日を過ごしたことが
    ありました。今思うと、妹や弟の世話で父母が忙しかったためなのでしょうが、私
    にとっては、祖父母の生活が何もかも珍しくて、楽しくて仕方ありませんでした。
    広島市の家に戻ってからは、夜になると窓を開け、とびきり遠くの小さな明かりの
    ひとつを祖父母の家と決め、段々畑や、縁の下に詰まったじゃがいもや、夕日に光
    る竹藪を思い出しながら、眺めたものでした。私は、アルムおんじの家と祖父母の
    家を重ねて見ていたのでした。夢遊病になったハイジのように、夜気付くと祖父母
    の家にいたらいいな、と思っていました。
     大きなチーズや、干し草のベッドに憧れるのは、小学生になって再放送を見てか
    らです。クララの心情の複雑さにも気付いて、ちいさな痛みを覚えました。また、
    当時の再放送は、終わりの歌は途中で切れてしまうので、でんでん虫が出てくると
    ころまで見られると何だか得した気分になったものです。
     そして再放送でもやはり、ハイジが夢遊病となり、夢の中でアルプスのおんじの
    家に帰って来てしまうという場面のわくわく感は、それが病気のせいであるという
    絶望感にはあまりつながりませんでした。みんなが心配しているから、よくないこ
    となんだと思うことにしていました。
     今回の展示で、私は初めて大人の視点から、ハイジという少女を見ることができ
    たわけですが、改めてこの夢遊病の場面の絶望の度合いはあまりに大きかったです。
    当然ながらすでに大人の視点を持っていたはずの高畑勲監督をはじめとする作り手
    たちの心境と、それを超越した厳しい姿勢を思うと、戦慄しました。
     宮崎駿さんの解説のついた制作当時の風景も、とてもわかり易くて、心温まるも
    のでした。「作り手」ということの辛さ、孤独感はいくらでも表現出来るのに、楽
    しさは、言葉ではいつまでたっても不思議とうまく表せない気がします。でも、解
    説の文字ひとつひとつ、絵の線の一本一本に、それはしっかりと込められていたの
    でした。私たちの世代にとっては、宮崎駿さんといえば「アニメの神様」みたいな
    存在なのですが、この展示ではなんだか初々しくて、映画監督から感じ取る厳しさ
    とは別の面に触れることができました。
     そして、展示の片隅に、こんな言葉がありました。
    「創造的な仕事をなしとげる三つの条件。若いこと。無名であること。貧乏である
    こと。」
     この言葉を何度も繰り返しながら、井の頭公園の林を歩いて帰りました。私は今、
    それらを全て持っている。そのことを忘れないうちは、きっとそれらを手放さない
    でいられる。頑張ろうと思いました。
     違う花が咲く頃に、できれば「ハイジ」をもう一度全部見て、また来ようと思い
    ます。」 
  • p.25 挿絵(ハイジと、ぴっぴらさんたちとのコラボレーション)

「AERA」2005年08月01日号(朝日新聞社)

  • p.100 「齋藤孝のサイトー変換 45」で、「夕凪の街 桜の国」の書評
    「原爆罪/原爆?よく知らないではすまされないよ、日本人は」
    「帯の惹句(じゃっく)/「読後、まだ名前のついていない感情があなたの心の深い所を
     突き刺します」。その通りだった」
    「声に出して読みたい一文〜
     十年経ったけど原爆を落とした人はわたしを見て、「やった!またひとり殺せた」
     とちゃんと思うてくれとる?」

「AERA」2005年08月08日号(朝日新聞社)

  • p.12**15 「戦後60年 原爆無知大国アメリカ」
  • p.15に、「夕凪の街 桜の国」の作者・こうの史代さんのコメント
    「広島市に生まれ育ちましたが、被爆者でも被爆二世でもありません。
    ヒロシマを書こうと思い、たくさんの資料を読んでいるうちに、自然と
    こんなふうに感じるようになったのです。それが被爆から10年後、23歳で
    亡くなった主人公・皆実の最後の言葉になりました。
    <嬉しい?/十年経ったけど/原爆を落とした人はわたしを見て/
    やった!またひとり殺せた/とちゃんと思うてくれとる?>
     原爆の特徴として、何年も経ってから白血病やガンによって死ぬこともある。
    被爆者は、そのことをものすごく怖がって生きてきました。いま健康でも、
    明日には原爆のために死ぬかもしれないという、被爆者たちの恐怖をどうにかして
    伝えたいと思ったのです。
     被爆者のひとりである皆実の言葉は、原爆を落とした人たちへの言葉です。
    同時に、いま核兵器を持っている、または持とうとしている人たちに向けた
    言葉でもあります。
     生きてるいる限りずっと原爆のことで苦しむ人たちは、アメリカのことを
    嫌でも恨まざるをえない。それは、アメリカ人である限り、ずっと恨まれ
    なければいけないということでもあります。原爆は、そういうことがわかって
    使わないといけない。そういう覚悟がないと、落としちゃいけなかったもの
    だと思います。
     いまも、核兵器を使いたいとか持ちたいとかいう国やその国の人たちに、
    そういうことを伝えたいのです」

2005/07/28(木) 戸田誠二「唄う骨」(ぶんか社/648円+税)の帯に、

こうのさんによる推薦文

  • 帯(表)「青くても深い、残酷でも温かい、昔話でも私のこと。/こうの史代」

2005/8/1 「広島平和記念資料館メール・マガジン No.25」

  • 所載エッセイ「ヒロシマへのメッセージ」(こうの史代)
  • 「ヒロシマを語り伝える者も、たくさんの人に少しでも身近な出来事として捉えて
    貰うために、まず愛される存在となるよう努力せねば、と思います。」

2005/08/06発売  「ダ・ヴィンチ」2005年09月号

(メディアファクトリー/450円)

  • p.54**55 「今月の読者なんでもランキング/戦争の恐ろしさを教えてくれる一冊」
    に、「夕凪の街 桜の国」が第6位にランクイン(30票)
  • 広島の街が一瞬のうちに灼熱に包まれてから10年、一人の女性の魂はいつも
    あの日へと揺り戻される・・・・・。昭和30年、そして、現代を舞台に、
    抒情あふれる絵で、今も「ヒロシマ」が終わっていないということを語りかけ、
    絶賛を集めたコミック。
  • 「戦争を知らない世代の人間」に伝えるという点では一番心に響く本
    (21・女・大学生)
  • これを呼んでなお核兵器の保有や使用に賛成するような人間と同じ時間を
    共有したくないとすら思う(35・男・会社員)

「R25」 8月18日号 No.56(無料)

  • 「R25的ブックレビュー/今週のテーマ〜60年目の夏に読んでおきたい本」で、
    「夕凪の街 桜の国」の紹介
  • 60年前に起きた原爆という悲劇。それを次の世代の子どもたちに伝えたいと思ったら、
    どうしたらいいだろうか。そっとこの本を渡してあげればいいと思う。
     「夕凪の街」で描かれるのは、被爆して生き残った平野皆実という女性の物語だ。
    彼女の胸中にあるのは、原爆を落とした国に対する憎しみでもなければ、怒りでもない。
    「いまだにわけがわからない」という不条理な思いだけが、被爆して10年後の日常でも
    向かうべき対象を見つけられないまま頭をめぐり、「『死ねばいい』と誰かに思われた」
    という否定の体験は文字通りのトラウマとなって彼女の生活に影を落とし続ける。
     生きる意味を見出した途端に訪れる死の影…。が、彼女の死で物語は終わらない。
     やるせない感情を抱えたまま、「桜の国」を読み終えたときに浮かんだ言葉は
    「弔い」だった。セレモニーとか式典とかいった大げさな儀式ではなく、
    かつて生きていた人の生に耳を傾けること。不条理な死を遂げた誰かの生を記憶し
    意味づけるのは、遺された者のつとめなのだと思う。
     作者のこうの史代さんは、広島生まれだが、被爆者でも被爆二世でもない人だ。
    もちろんぼくらと同じように戦争を経験していない。でも経験していないことは、
    伝えられないことではないこと。経験していなくても伝えるべきことがあること。
    そんな小さな勇気の芽が本書にはひっそりと植えられている。

コミティアオフィシャルガイドブック「ティアズマガジン VOL.73」(2005/08発売)

  • p.38 「こうの史代原画展開催レポート/2005年5月5日コミティア72会場内にて」
  • p.39 「こうの史代の本棚」(原画展会場で配布されたフリーペーパー)の再録
  • p.51 「LETTERS〜コミティアへの手紙〜」に、こうの史代原画展についての感想

「毎日新聞 MANTANBROAD vol.15 2005年08月」

  • p. 8**10 「特集:戦後60年企画 マンガ、アニメ、ゲームでたどる戦争」
  • p.10に、「夕凪の街 桜の国」について言及
    「(前略)04年(平成16年)の、「夕凪の街 桜の国」は、広島に生まれながら、
    被爆の体験に目をそむけてきた「普通の戦後生まれ」の著者が、その「目をそむけて
    きた後ろめたさ」そのものをテーマにした過去と現在の物語だ。
     教訓めいた重苦しさや空気のこわばりを一切感じさせることなく、誰もがそれを
    自分の身に引き寄せながら自然に感じることができるように冷静で丁寧な筆致で
    描き上げた傑作として、高く評価された(以下略)」

2005/08 石田敦子「アニメがお仕事!(3)」(少年画報社/533円+税)の帯に、

こうのさんによる推薦文
「「夕凪の街 桜の国」のこうの史代先生推薦!」
「イチ乃ちゃんに会うて、うちも「まんが描いとる」と胸張って言う事にした。
有難う!」

「週刊金曜日」2005年09月02日号 No.571

(株式会社金曜日/500円)

  • p.51 「読み方注意!」(作家・山口泉)で、「夕凪の街 桜の国」の書評
  • 「美しい物語に潜む「歴史」の脱政治化」
  • 「この作品については、私が「信濃毎日新聞」に連載している同時代批評でも、
    昨年暮れ、一定の懸念を提示したことがあった。だが、その後も本書の声価は
    高まりつづけており、私が述べたような見解は、他に発見できない。
     本年8月7日、手にした「中国新聞」には、本書の「手塚治虫文化賞新生賞」
    「文化庁メディア芸術祭大賞」のダブル受賞を掲げ、「戦後漫画界最大の収穫と
    各紙誌で絶賛!」と謳った大きな広告があった。なるほど、これは極めて巧みな
    漫画である。
     1955年、広島。父も姉も妹も原爆のために死んだ家族の中で、建設会社に
    事務員として勤めながら、ともに原爆を生き延びた母と暮らすヒロイン。彼女に、
    慎ましやかな思いを寄せる同僚青年。ただ一人、水戸に縁故疎開させていたヒロ
    インの弟は、いまだ広島に戻ってこようとはしない・・・・・・。「夕凪の街」
    は、そうした人々の日常の息遣いの底を流れつづける「被爆」の、取り返しの
    つかなさを描く。
     併録された「桜の国」(一)(二)は、その後日譚である。東京を舞台に、
    前者が87年、後者が2004年の物語となっており、語り口はさらに精緻を
    極める。
     問題は何か。本書の性格を象徴するのが、巻頭の献辞だ。
    「広島のある日本のあるこの世界を/愛するすべての人へ」−。
    だか「この世界」は愛したくとも、「日本のあるこの世界」など、終生、拒絶
    せざるを得ない人々が、現に日本の内外に存在する。少なくとも日本は、
    1945年8月、突如として、この地上に出現した国ではない。「平和」を、
    真に人間普遍の問題として共有しうるためには不可欠の、地を這うように困難な
    手続きをあらかじめ回避したところに、この物語は成立している。
     本書の抱え持つ脱政治性ともいうべき傾向が、事柄のいっさいを「無謬
    (むびゅう)の「桜の国」の美しい悲劇」へと変質させかねないことを、私は
    危ぶむ。そして、痛ましくも口当たりの良い物語の「受け容れられやすさ」が、
    「被爆」を単に「日本人の占有する不幸」にのみ矮小化し、さらには新しい
    ナショナリズムに回収される迷路へと誘(いざな)う場合もありうることを、
    私は恐れる」

「週刊金曜日」2005年09月09日号 No.572(株式会社金曜日/500円)

  • p.20**21 「わたしと憲法 シリーズ16」に、こうの史代さん登場
  • 「作品前半の「夕凪の街」では1955年(昭和30年)を、「桜の国」
    では現在を舞台にヒロシマを描いています。聞き取り取材をかなりされたの
    ですか」
    こうのさん(以下、こうの)「東京に住んでますから、取材にはやはり限界が
    あります。広島に住んでいればね、そういうやり方もあったのかもしれないです
    けれど。
     実は、わたしとしては、原爆に関してこれまでに出された資料や本から、被爆
    した人々の生活やその実態などをまとめるつもりで、はじめさせてもらったのです。 
     「夕凪の街」で、原爆に関する資料を調べてたのは半年間ほどですね。そこから
    マンガの製作に移って半年です。「桜の国」のほうでは、参考になる資料があまり
    なくて、1人、知人の広島の被爆二世の方に協力してもらって、お話を伺ってい
    ます。
     結局、資料を元に、というのはあまり考えずに、ストーリーを練るのにかなり
    時間をさきました。書き上げるまでに1年かかってしまいました。両方を仕上げる
    のに、トータルで2年かかりましたね」
  • 「作品の中で被爆者が、すでに亡くなった被爆者たちに抱く、生きていることの
    後ろめたさが印象的です」
    こうの「初めは、中沢啓治さんの「はだしのゲン」みたいなものを短くしたもので
    描こうと思っていたんです。
     ただ、資料を読むにつれ、意外に被爆して生きている人たちが、良心の呵責
    (かしゃく)のようなものを抱えていることが多いのに気がつきまして・・・・・。
     戦争とは関係なく、「他人に比べて自分は恵まれている」というのを少しだけ
    でも感じることって、あると思うのですね。そうした時に感じる「後ろめたさ」
    みたいなものって、度合いは、戦争を体験したような人たちに比べたら低いと
    思うのですが、今の人たちにも共有できる感情かな、と思いました。そこで、
    そこら辺を重点的に描こうかと思ったのです」
  • 「後ろめたさという感覚は、こうのさんらしさではないですか」
    こうの「多分、小っちゃい時からそういう感覚がありますね。
    ・・・・・・わたし、4人兄弟の真ん中なんですね。それで、自分は、可愛がら
    れるというよりは、大人たちから可愛がられる妹や弟たちが一所懸命、可愛くある
    ための世話をする担当、という感じなところがありまして(笑)。自分が1人だけ
    いい目にあうことが、ほとんどなくて、たま〜にそういう目にあうと、どう反応
    していいかよくわからないほうだったのです。
     私事ですが、わたしはその後、母の実家に名前だけ変えて跡取りとして養女に
    なるのですが、その時に祖母からとても大事にされるのです。その時、やっぱり
    とまどいました。
  • 「作品の反響はどうですか」
    こうの「被爆した方からは、あまり話を聞いていないのですが、被爆二世の方
    から感想を聞く機会はわりと多いですね。今までわたしは、ご本人がそれを
    名乗る形で、広島にいた二世の人に出会うことはなかったんです。けれども、
    今回はいろんな方が「わたしは二世なんですよ」とか、「親が被爆者手帳を
    持っているんですよ」などと言ってくれます。そういうところが一番、反響と
    してはうれしかったことですね。
     それと、今回のマンガをきっかけに、「そういえばわたしも二世なんだよね」
    っていうふうにいろんな人が気軽に誰かに話してくれて、それを聞いた相手も
    また被爆者の存在を身近に感じてもらえて・・・・・・そういう機会ができた
    かな、と思います。ありがたいことです」
  • 「被爆者でも被爆二世でもないことで、描けたことはありますか」
    こうの「自分と同じようにそうした体験がない人に、どう伝えれば心に届くか、
    ということが考えられ、そのことで、届く表現がとれたことじゃないかと思い
    ます。「夕凪の街」の後の「桜の国」で、被爆二世三世のことを書かなきゃ、
    と思ったのは、実は広島に住んでいながらわたし自身が、彼らが受けている
    被害を身近なこととして、まったく感じてなかったからだと思います。
    それでそれを現すにはどうすればいいか、というふうに思ったときに、自分が
    その「わからずや代表」ということで(笑)、自分を説得できるよう描きま
    した」
  • 「ヒーローが活躍する物語でなく、身近な人たちの記憶にだけ留まるような
    人々を描きますね」
    こうの「目立って優等生だったり、目立って何かができたり、っていう天才
    みたいなものには、それほど魅力を感じないんですよ。そう思うと、普通の人
    でもその人なりの誇りみたいなものがあって、自分の人生をちゃんと選んで
    自分の足で歩いているのですね。それは、世間で天才のような人が賞賛される
    のと同じぐらい大事なことだと思うのですよね。そういうところを描きたいな
    と思いまして」
  • 「広島では平和教育が熱心だとか。どのような教育を受けられましたか」
    こうの「原爆に関する教育というのはけっこうあって、多分、それも先生に
    よるのだと思うのですけれども、わたしの世代などは、実際に被爆した方が
    生き残って先生をされていたりしたこともあったと思います。小学校の時、
    被爆体験をぜんぜん語りはしなかった先生なのですが、音楽の時間に「原爆
    許すまじ」の歌をその人から習いましたね。
     普段は歌などまったくうたわない方だったんですけれど、それだけは自ら
    率先して教えてくれて、ご自身もうたって。多分、原爆のことでいろいろ
    抱えていた方なのだろうなあ〜と、今になっては思いますね」
  • 「戦争や原爆をどうとらえますか?」
    こうの「「原爆」と聞くだけで、ものすごく「怖いもの」、また戦争になると
    原爆が落とされる、といったイメージを持ってきました。これまでテレビなど
    で関連する番組があると、恥ずかしながら、むしろチャンネルを変えていたん
    ですね。「怖いもの」をきちんと見ること自体が悪趣味のようにすら思って
    いたんです。実際、被爆して生き残った方たちの体験記などに、大抵、
    「もう思い出したくない」というふうに書かれていますし。
     ですから、戦争と原爆の怖ささえわかっていれば、被害の状況などは
    聞かなくてもいいのでは、ぐらいに思っていました。ですが、今回、マンガを
    描くのにいろいろな資料を見ているうちに、「いいたくない」からといって、
    「知ってほしくないわけではないんだ」、ということに次第に気付きました」
  • 「次は戦時中のことを描くとか」
    こうの「今回のマンガで書き落としたな〜と感じている戦時中もちょっと
    書いてみようかな、と思って、今、その当時の生活などについて調べている
    のですね。それで、戦争で何が辛そうかというと「自由がないことだな〜」
    と思うのですよ。食べるものや洋服を選ぶ自由もないですし、あと今の方たち
    は、犬や猫などペットを家族のように大事にしていますが、それを飼う自由
    もなくなります(笑)。戦時中の生活は、今の人間にはとても耐えられない
    と思うのです。そういうところをマンガで描けば、「戦争やればいいじゃん」
    とか「どっちでもいいじゃん」などという人たちが減るのではないか、と。
     今回の作品で、マンガという手法はそうしたことがとても伝わり易いと
    いうことがわかったのです。日常を丹念に描けば、それをみんな退屈がらずに
    読んでくれますしね。今度は、戦艦大和の故郷、広島の呉市を舞台に描こう
    かな、と思っています」
    (聞き手・写真/西村仁美(フリーライター))

2005/09/06発売  「ダ・ヴィンチ」2005年10月号

(メディアファクトリー/450円)

  • p.226**227 「今月のこの本にひとめ惚れ」で、「夕凪の街 桜の国」が
    「ひとめ惚れ大賞」に。
  • 「もともとこの作品は、他の原稿を渡しに行ったとき、編集者との何気ない
    雑談の中から生まれたものでした。それまで描いていた作品とは雰囲気が全然
    違うし、登場人物の表情ひとつとっても大きく違う。以前はにこやかな表情
    ばかり描いてきたので、随分苦労しましたね。自分にとって異例尽くしの作品
    だったので、その後の反響の大きさに一番戸惑ったのは私自身だったといって
    もいいでしょう。
     テーマは「原爆」ですが、もっと詳しくいえば「それが今も繋がっている」
    ということになると思います。広島で生まれ育った私にとって「夏といえば
    原爆、原爆といえば夏」というぐらい当たり前のテーマだったといってもいい。
    学校でもみんな原爆について詳しく習うし、広島のメディアの方から取材を
    受けると必ずといっていいほど「次の世代にどう伝えるか」という点について
    聞かれます。東京ではそこまで突っ込んで聞かれたことがありません。それ
    ぐらい違うんです。
     ただ、広島人だからといって被爆者の方から直接話を聞く機会は滅多に
    ないし、被爆二世、三世の人が自分からその話題を切り出すこともほとんど
    ありません。それでも被爆体験というのは大きな傷だと思う。だれも語らない
    からといって忘れていいものではないはずですよね。当初は「夕凪の街」だけ
    のつもりでしたが、今の人たちにもっと興味を持ってもらえるようにと
    「桜の国」を描きました。被爆体験が今の時代にも息づいていることを伝えた
    かったのです。今のうちに被爆の話を書き留めておかないと、二世や三世は
    どんどんいなくなる。そして、知らないうちに風化する。それではダメだと
    思ったんです。
     反響の大きさは想定外でしたが、それ以上に読者層の広がりには正直
    ビックリしました。最初にインターネットで話題になり、じわじわと読者
    が増えていきました。一人で何冊も買った、そして人にあげたという人を
    少なくとも数人は見た(笑)。何より印象的だったのは「ありがとう」
    という言葉をかけてくれた人が多かったこと。マンガを読んだ人から感想を
    聞くことはあっても「ありがとう」なんていわれたことはありませんでした
    からね。今はもうこの作品は自分の手を離れていると思います。
    いろんな人の手に渡って、その人たちの作品になってくれれば私もうれしい。
    「最初はよくわからなかったけど、何度も読み直すうちにすごく好きになった」
    といってくれた人がいました。そういう読み方をされるとすごくうれしいです。」
    (こうのさん談)
  • 「最近戦争について考えることが多い。当事者は誰なのか、原爆は戦争の
    形をどう変えたのか。この本はすぐに読もう」(糸井重里)
  • 「「ひとめ惚れ」ではなく、すでに読んでいた本。でもどうしてもお薦め
    したくて選んだ。戦後の物語なのに戦争を実感する」(秋山具義)
  • 「悲しいけれど、美しい。向田邦子の短編を読んでいるような、いろいろ
    な魅力がたくさん詰まった、宝石のような物語です」(横里隆)

2005年11月5日〜13日まで広島市内のサロンシネマなどで上映される

『ヒロシマ平和映画祭2005』のチラシに、こうのさんのがイラスト掲載
:http://www33.ocn.ne.jp/~dotoku/HPFF2005/index.html

「月刊少年マガジン 2005年11月号」(講談社/410円)の

最終ページ(もくじ)に、「今週のテーマ/秋の読書におすすめの1冊は?」。

  • その中で、とだ勝之先生曰く、
    「「夕凪の街 桜の国」。話(ストーリー)・絵・構成力、すべてに感銘を
    受けました。作者のこうの史代さんは大学の後輩です」。

2005/12発売  「ダ・ヴィンチ」2006年01月号

(メディアファクトリー/450円)

  • p.10〜11 「第2回 編集部が選ぶ プラチナ本 OF THE YEAR」
    「毎月、ダ・ヴィンチ編集部が総力をかけて選び出す「今月の「絶対はずさない!
    プラチナ本」」。その、2004年10月号〜2005年9月号に選ばれた
    プラチナ本12冊の中から、編集部員が最もよかったと思う1冊を投票で決定!
    第2回の今回は「夕凪の街 桜の国」が選ばれました!!」
  • こうの史代受賞コメント
    「「夕凪の街 桜の国」は私にとって挑戦の作品でした。長編マンガも、青年誌
    への掲載も、一年間かけての執筆も、なにもかも初めての経験でした。この挑戦作
    が多くの方々に評価されたことを、本当に嬉しく思っています。
     私にとって作品は読者の皆さんといっしょに作るもの。その、厳しくも優しい
    評価に何度助けられたかわかりません。これからも挑戦を続け、一所懸命頑張って
    いきますので、見守っていただければこれ以上の幸せはありません」
  • 横里隆氏(編集長)・稲子美砂氏(副編集長)・関口靖彦氏(編集者)・
    波多野公美氏(編集者)・飯田久美子氏(編集者)・宮坂琢磨氏(編集者)
    からのコメント
  • あらすじ
  • 読者コメント
  • 「読者が選ぶ 今年のプラチナ本 OF THE YEAR」で、
    「夕凪の街 桜の国」が6位(80票)にランクイン
  • p.28〜29 「ブック オブ イヤー 2005/コミック」でも、
    「夕凪の街 桜の国」が18位(50票)でランクイン

「このマンガを読め! 2006」(フリースタイル/660円+税)

  • p.4〜5 集計表 『さんさん録』が第27位(6点)にランクイン
  • p.22〜23 長谷見賢一氏(書泉グランデ)によるコメント(抜粋)
    「評価の高いこうの史代ですが、そのどの既刊も凌駕するのが、
    「アクション」連載中の『さんさん録』。情景描写、コミカルセンス、
    感情表現、どれをとっても天才的作品。」
  • p.32〜33 芦田浩輔氏(旭屋書店本店)による『長い道』へのコメント(抜粋)
    「『長い道』は、前作『夕凪の街〜』が大ヒットしたこうの史代さんの新作。
    いびつな夫婦が少しずつ心を通わせていく様子が徒然と描かれています。
    ドラマチックな展開になりそうな場面で、ふとリアルな仕草や思考が
    入り込んできて笑ってしまう。こうのさんの作品は、日本の情景や街並を
    とても丁寧に描いてらっしゃるにも拘らず、無時代、無国籍な雰囲気があって、
    そこがとても好きです。幸せな一冊。一回が4頁というのも新鮮でした。」
  • p.26に、「さんさん録」のカット(仙川女史と蛇)
    (「漫画アクション」05年12月6日号p.388より)
  • ほか2005年受賞リストに『夕凪の街 桜の国』

「このマンガがすごい! 2006・オトコ版」(宝島社/752円+税)

  • p.4〜5 集計表 「夕凪の街 桜の国」が第11位(43点)にランクイン
    「21位以下の作品」として、「長い道」もランクイン(22点)
  • p.18 「夕凪の街 桜の国」についてのコメント(抜粋)
    「戦後10年の広島。原爆で父、姉、妹を亡くしながらひとり生き残った女性・
    平野皆実。同僚・打越を想いながらも、被爆直後の広島の風景を忘れられず、
    生きていることに罪悪感すら抱いてしまう。打越の「生きとってこれてありがとう」
    との言葉につかの間心癒されるも、原爆症を発症。実体の見えない敵に身体と心を
    冒されてゆくやり場のない怒りが静かに、しかし、確かな熱をもって語られる」
    「「夕凪の街」のクライマックスの説得力は圧巻のひと言に尽きる。ひとつひとつの
    言葉が読む者の胸に強く迫り、戦争を知らない世代にも、過去のできごとを知りたい
    と思わせる力に満ちている」
    「こうの史代は無名の存在ながら、本作で手塚治虫文化賞大賞(ママ)、文化庁
    メディア芸術賞大賞のW受賞に輝いた。ほのぼのとしたショートコミックを得意と
    しているが、今後もぜひこのようなストーリー作品を読ませてほしいものだ」

「非核の政府を求める会ニュース」204号(非核の政府を求める会)

  • インタビュー記事掲載。

「JMAマネジメントレビュー」12月号(日本能率協会)

  • インタビュー記事掲載。染谷氏の写真も掲載。

「MOE」2006年02月号(白泉社/特別定価770円)

  • p.14に、「夕凪の街 桜の国」の紹介文掲載(抜粋)
    「こうの史代「夕凪の街 桜の国」は、静かに涙がこぼれる作品。原爆という重い
    テーマを描きながら、登場人物のたちの表情はやわらかく穏やか。だからこそ、
    ふつうに生きる幸せを奪われた哀しみがひしひしと伝わってきて。読み終わった
    あとも、切ない余韻がしばらく続きます」
    「そうそう、大事なことを忘れていました。ご紹介した作品は、電車のなかなど
    人前で読むのは、やめた方がよろしいかと。特にティッシュを持っていない場合は、
    大変なことになりますので、ご注意ください」
  • p.15に、「夕凪の街・桜の国」p.36の絵(皆実が京花の髪を結っているイラスト)
    が掲載
    「広島への原爆投下によって奪われたのは、温もりある家族や恋人たちの情景。そして
    ささやかな幸せをかみしめる笑顔・・・」

2006/04 「本の雑誌」 2006年05月号(通巻275号)(本の雑誌社/本体505円+税)

  • p. 4**17 特集「最強の友情!」
  • p.14**17 「読者アンケート/この友情にしびれた!」
    ※p.16**17に、「こっこさんとやよいちゃん」(「こっこさん」/こうの史代)
    (以下引用)
    「(前略)こっこさんはニワトリです。横暴でわがままで朝早起きで(あたりまえ)
     いつもえさ探して家をぐしゃぐしゃにして、木に登っても自分で降りられません。
     主人公のやよいちゃんは学校からの帰り道、こっこさんに道をふさがれて帰れな
     くて、こっこさんが勝手について来ただけなんだけど、この2人のなんとも言い
     がたい信頼関係が心地よい。やよいちゃんの力の抜けた接し方が相手にとって楽
     なんだろう。受け入れられる心地よさだろうか。ちょっとやな感じのクラスメート
     の チクリン(先生にチクルやから)が母親の再婚相手が引っ越してくる日、
     家出みたいにやよいちゃんの家にやって来たのもきっとわかってもらえる人を
     本能的に見抜いたからだろう。
      こっこさんはやよいちゃんに草っぱらで鈴を見つけてあげる。彼女はきれいとも
     思えない鈴をずっと首にぶら下げている。なんかいいやん。この2人いい友達やん
     と和んでしまう。みんなあ、こっこさん読んで疲れとってなあ!!!」
     (いなばゆかり・こーこーきょうゆ45歳・吹田市)
    (引用以上)

「ダ・ヴィンチ」 2006年6月号 (メディアファクトリー/450円)

  • p.201 「厳選!注目の新刊コミック」
    ※「さんさん録 1巻」の書評
    (以下引用)
    「おじいさん、家事に挑戦」
    「『夕凪の街』で話題を呼んだ俊英の待望の新作。息子夫婦の家で同居中の主人公・参平
     が、亡き妻の残したノートを頼りに炊事洗濯などの家事に挑戦。基本はほのぼのホーム
     コメディだが、その中に残された者の寂寥(せきりょう)感なども織り交ぜていく、
     情感あふれる描写が心にしみる」
     (選・芝田隆広)
    (引用以上)

2006/05/23 「週刊朝日」 2006年6月2日号 (朝日新聞社/320円)

  • p.105 「週刊図書館/ひと」
    ※「地味な話をていねいに描く こうの史代」
    (以下引用)
    「定年後間もなく独り暮らしとなった参平が、息子夫婦と同居する。居心地の悪い日常に
     フォーカスをあてた連作短編マンガだ。
      家事のノウハウから家族への思いまでを、備忘録ふうに書き綴っていた亡き妻の
     ノートがタイトルの由来(「参さん」録)。参平はそれを開くたび、妻を思い浮かべる。
     死者は生き返りはしないが、参平の心の中で息づいているのだ。
     『おじいさんと同居する話を描きたいと言ったら、暗いからと一度断られたことが
     あったんですよね』
      悔しい思いをしたのは数年前のこと。昨年、斬新な手法で「ヒロシマ」を描いた
     『夕凪の街 桜の国』で手塚治虫文化賞を受賞した。十年間、一冊も本にならず、
     先行きを思案していた時期だった。(中略)
     『いまどきめずらしい量産のきかない作家』と担当編集者。こうのさんは、へらへらっ
     と笑う。『月に二十ページが限界。好きな外歩きをする間がなくなる』。(中略)
      気弱そうに見えるが、編集者曰く『手ごわい人』。(中略)
      しかめっ面の参平と、無口で虫好きの孫娘。二人でスーパーに行く場面。黙って
     孫娘が、とろろ昆布を参平の買い物かごに入れる。
     (お菓子じゃないのか!?)
      変わった子だと見返す参平。二人の表情と間がなんとも言えず惹きつける。
     『私も祖父から可愛がられてなかったみたいだから、こんな子に見えていたんじゃ
      ないかな』
      意思の疎通に欠ける二人が、だんだんと心を通わせあう展開に愛情を感じる」
     (朝山 実)
    (引用以上)

2006/07 「熱風」 2006年07月号 (スタジオジブリ)

  • 特集「王と鳥」
    ※p.22**24に、「気をつけたまえ、この映画は謎だらけだ」(こうの史代)

http://www.ghibli.jp/outotori/special/np04/

「漫画アクション 2006年 9月19日号 No.18」(双葉社/9月5日発売/290円)

(以下引用))

  • p.315 「『夕凪の街 桜の国』に関してのお知らせ」
    「映画化決定!来年夏、公開予定!!
     皆様に愛され、親しまれてきました
    『夕凪の街 桜の国』が映画になります。
    どうかもう一つの皆実、七波を応援してください
    (こうの史代、アクション編集部)/(キャスティング等は省略)」
  • 同ページ 「『こうの史代 複製原画』についてのお知らせ」
    「8月11〜13日に開催された『コミックマーケット70』双葉社企業
    ブースにて、『こうの史代 複製原画』をお買い求めいただいたお客様に
    お知らせいたします。
     8月12日(2日目)の開店前に、こうの史代先生が、忙しいスケジュール
    の合間をぬって双葉社ブースを訪れ、『ファンの皆様のために』と、残っていた
    原画に直筆のサインをいただき、おまけ小冊子もいただける、という嬉しい
    ハプニングがありました。
     8月11日(初日)に複製原画をお買い求めいただいたお客様に対しましては、
    サインをご希望の場合は、着払いの宅急便などで、下記の住所(省略)まで、
    お買い求めいただいた複製原画をお送りいただければ、こうの史代先生に新たに
    その複製原画にサインを入れていただき、おまけ小冊子とともに返送させて
    いただきます。(9月11日までにお送りいただけますよう、お願いいたします。)
     なお、双葉社からの返送には、数週間程度の日数がかかる可能性がありますので、
    あらかじめご了承下さい」
  • p.361 「I Love Action(アイ ラブ アクション)」
    「読んで心も里帰り」
    「読むと『ただいまー』って言いたくなる、そんなあったかいお話や登場人物たちが
    迎えてくれる、こうの史代先生の作品が大好きです。なので久しぶりにアクションに
    読み切りが載っているのを見て、本屋さんで思わず『あっ!』と声をあげてしまいま
    した。
     今回の『大潮の頃』は夏のお話。家族で親戚の家に行って、スイカを食べて、大人
    は宴会して、子供は別の部屋で遊ぶ・・・お盆の時は日本中の色んな所で同じような
    ことがされているんですね。読んでいてとても懐かしくなりました。
     こうの史代先生の次回作が楽しみです。(滋賀県 夏みかん)」
    「こうの史代先生の次回作は今秋掲載予定!お楽しみに!」
    (引用以上)

「キネマ旬報 2006年 9月上旬号 No.1466」(キネマ旬報社/定価820円)

(以下引用)

  • p. 22 「日本映画製作情報」
  • 「佐々部清監督最新作 『夕凪の街 桜の国』」
  • 「『出口のない海』の公開を9月16日に控えている佐々部清監督が、早くも新作
    『夕凪の街 桜の国』(配給:アートポート)の撮影に入っている。
     作品は、平成16年度文化庁メディア芸術賞(ママ)マンガ部門大賞、第9回手塚
    治虫文化賞新生賞を受賞したこうの史代の同名漫画(双葉社・刊)を映画化するもの。
    昭和33年(原作では30年)の広島で、父と妹を原爆で亡くし、生き残ったことに
    負い目を感じながら生きる皆実の物語(『夕凪の街』)と、現代の東京を舞台に、皆実
    の弟である父親を見ながら自分のルーツを探っていく七波の物語(『桜の国』)。時代は
    異なりながらも密接に関係する二つの物語をとおして、被爆したある家族とその次世代
    の家族が直面した”現実”を描く感動作。佐々部監督と国井桂が脚本を執筆している。
     出演は、『夕凪の街』の皆実に麻生久美子、他に吉沢悠、伊崎充則、『桜の国』の七波
    に田中麗奈、他に中越典子、堺正章、粟田麗、田山涼成、二つの時代を通して、藤村志保
    が共演する。
     撮影は、埼玉県のSKIPシティ内に組んだオープンセットに加えて広島などで
    ロケーションを敢行。クランクインは7月18日、アップは8月下旬の予定。
    2007年夏、全国にて公開」
    (引用以上)

「キネマ旬報 2006年 9月下旬号 No.1467」(キネマ旬報社/定価820円)

(以下引用)

  • p. 3** 6 「FACE 2006/田中麗奈」
  • p. 4 「『普段なら恐いこと』ができる場所−映画の世界に守られている」
    「はねっかえりの女の子が、タイムスリップした先で、キョンシー使いの導師や貧しい
    村のために大金を盗んだ青年たちと出会い、その青年のひとりと恋に落ち・・・・・・
    およそ日本映画では考えられないハチャメチャなストーリーは、これが台湾を舞台とした
    日台合作のファンタジー・アクション『幻遊伝』だから。ヒロインを演じた田中麗奈は、
    この映画のことを本当に楽しそうに話す。(中略)
     夏からは広島で、佐々部清監督『夕凪の街 桜の国』の撮影に入っているとのこと。
    きらきら光る瞳と翼を羽ばたかせ、田中麗奈は目の前に広がる世界を見つめている」
  • p. 6 「たなか・れな/1980年、福岡県生まれ。98年、『がんばっていきまっ
    しょい』で女優デビュー、数々の新人賞を受賞。『はつ恋』(00)、『ドラッグストア
    ・ガール』(04)などのほか日中合作連続テレビドラマ『美顔』に主演するなど多岐に
    わたって活躍。
    06年下半期から07年にかけても、『暗いところで待ち合わせ』『ゲゲゲの鬼太郎』
    『夕凪の街 桜の国』と出演作が公開を控えている」
  • p. 53** 58 作品特集「出口のない海」(佐々部清監督インタビュー等)
    (引用以上)

「SAPIO 2006年 9月27日号」(小学館/特別定価480円)

(以下引用)

  • p.76の欄外(柱)
    『夕凪の街 桜の国』の、こうの史代の衝撃作「古い女」収録!
    『わしズム』夏号、大ヒット発売中!
  • p.76の欄外(上))
    「戦争論以後」を特集した今年の『わしズム・夏号』は、発売するや
    品薄状態になる程、凄い売れゆきでした!力作揃いの中で、
    こうの史代さんの描き下ろし「古い女」には、なんと先生ぼんが
    初めて人気投票で首位を譲るという結果に!この号はプレミアが
    つくこと間違いない(!?)の1冊だから、まだ買ってないなんて
    いう人は、売り切れてない書店を見つけて入手して!お早めにね。
    (引用以上)

「周南PLAZA 2006年10月号 vol.019」(発行所・baobab8/0円)

  • 「男泣きする本」
    ※「夕凪の街 桜の国」の書評
    (以下引用)
    「現在、『出口のない海』が公開中の佐々部清監督。次回作が既に決まっていて、本作は
    その原作コミックです。舞台は広島、テーマは『ヒロシマ』。世界の悲劇とも言える原爆
    投下。本作はその惨劇を直接的に扱うのではなく、一人の女性の日常を描く事により、
    心の奥底に刻まれた戦争の恐怖、生への執着を描ききっています。『夕凪の街』は 戦後
    10年経ってもなお原爆症に苦しむ女性皆実の物語、『桜の園(ママ)』は皆実の弟旭の
    子供たちの物語。映画を見る前に原作をチェックです。(協力:鳳鳴館)」
    (引用以上)

「漫画アクション 2006年10月17日号 No.20」(双葉社/10月 3日発売/定価290円)

(以下引用)

  • p.122 「夕凪の街 桜の国 映画発表記者会見」
    「映画 『夕凪の街 桜の国』 来年8月公開!」
    「特報 感動を呼び続ける名作がついに映画化!」
    「来夏公開の映画『夕凪の街 桜の国』のクランクアップ記者会見が9月19日、
    都内で開かれた。『被爆から何十年も苦しみながらも頑張って生きている人がいる
    ことを世界の人に知ってもらいたい。同時に生きていくことの素晴らしさを伝え
    たい』と主演の田中麗奈さん(26)は熱っぽく語った。
     原作は漫画家こうの史代さんの同名漫画で、被爆体験に悩む終戦10年後の女性
    と、被爆2世の現代の女性の姿を通し、戦争の悲惨さと家族愛を静かに伝える名作。
    2004年の発売以降25万部に達するロングセラーで、ストーリーは折り紙つき。
    来年5月にはカンヌ映画祭へ出品も予定されている。話題集中必至の
    『夕凪の街 桜の国』に今から大注目だ!!」
  • 写真(上段左から、こうの史代さん、堺正章さん、佐々部清監督、
    下段左から、藤村志保さん、麻生久美子さん、田中麗奈さん、中越典子さん)
    (引用以上)

「ダ・ヴィンチ」2006年11月号 (メディアファクトリー/450円)

  • p. 42 「出版ニュースCLIP」(構成・文/梅村千恵)
    (以下引用)
    「あの名作がついに映画化 『夕凪の街 桜の国』」
    「来夏公開の映画『夕凪の街 桜の国』のクランクアップ記者会見が9月19日、
    都内で開かれた。『被爆から何十年も苦しみながらも頑張って生きている人がいる
    ことを世界の人に知ってもらいたい。生きていくことの素晴らしさを伝えたい』と
    主演の田中麗奈さんは語った。来年5月にはカンヌ映画祭への出品予定もある
    本作品だけに今から期待が高まる!!」
    (引用以上)

「シネマスクエア vol.8」 (日之出出版/定価780円)

(以下引用)

  • p.38・39 「『夕凪の街 桜の国』 撮影現場ルポ」
  • 「等身大のヒロインを通して、原爆の”その後”をさりげなく描く
     日が暮れても蒸し暑さが残る夏の夜。
     郊外の撮影所に組まれた昭和30年代のセットでは、真剣勝負の撮影が続いていた。
     そこにいるキャストとスタッフの全員が、何かを伝えようとするように。」
  • 「原作に込められた想いを一場面ごとに確認しながら」
  • 「梅雨もようやく開け、蝉しぐれが聞かれるようになった8月3日。くらくらする
    ような暑さと湿度の中、撮影所では着々と撮影が進んでいた。
     まずは田中麗奈か演じる七波(ななみ)の両親、京花(粟田麗)と旭(伊崎充則)
    が狭い路地を歩きながら、会話を交わすシーン。一杯飲み屋や広島風お好み焼きなど、
    細かい部分まで再現されたセットに、夕陽を模した照明が当たる。スタッフたちの
    入念なチェックが繰り返され、本番。冬の場面なのでセーターとコート姿だが、
    汗ひとつ見せない粟田と伊崎はさすがだ。
     ふと気付けば、セットの横で田中が撮影を見ながらスタンバイ中。今のシーンに
    彼女の出番はないものの、次は自分のルーツである両親のやりとりを、現代の七波
    が見守るという、ファンタジックなシーンが控えている。時折スタッフと言葉を
    交わしながら、静かに感情を集中させている田中の横顔が美しかった。
     撮影が進み、いよいよ田中が路地の隅に立つ。セリフはなく、表情だけで両親への
    想いを表す大切な場面だ。おもむろに田中に近付き、二、三言囁く監督。うなずく
    田中。短いやりとりの中にも、互いを信頼している絆が垣間見える。何度かのテスト
    の後、厳しい顔つきでモニターを見つめていた監督がOKを出すと、そのシーンは
    無事終了となった。
     ようやく休憩に入り、全員で仮設テントへ。撮影中の真剣ムードはどこへやら、
    キャストもスタッフも交じり合っての夕食タイムだ。和気あいあいと食事を楽しむ、
    その光景はまさに『佐々部組』。映画ならではの結束を感じた現場だった。」
  • 「文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞と手塚治虫文化賞新生賞を受賞、
    アメリカをはじめ各国で出版が予定されている、こうの史代のコミック
    『夕凪の街 桜の国』。その原作をもとに、映画『半落ち』や『出口のない海』等、
    人間を描くことに定評のある佐々部清監督が映画化した。物語は昭和30年代の
    広島でひっそりと生きる皆実と、皆実の姪で現代っ子の七波というふたりの
    ヒロインを中心に構成し、2部作である原作を、映画では互いに交差させながら
    綴る。」
  • 写真1(撮影の合間に談笑する田中と伊崎を発見。劇中では会話をすることのない
    ふたりだが、何やら楽しそうに話をしている。)
  • 写真2(田中演じる七波の視線の先に、何が映し出されているのか・・・。)
  • 写真3(シーンの説明を丁寧に俳優に伝える佐々部監督。常に俳優の傍らで、
    役者の演技を見守る監督の信頼は厚い。)
  • 写真4(古びた家並みや明かりの灯った提灯など、昭和の温かい雰囲気に包まれ、
    粟田と伊崎の芝居が続く。)
  • (撮影−桜井隆幸/文−佐藤さくら)
    (引用以上)

「Weekly ぴあ 2006年10月19日 No.1171」(ぴあ/定価320円)

(以下引用)

  • p.203 「BOOK 話題の本/こうの史代インタビュー/『さんさん録 2』」
  • 「”家族”という縁で結ばれた愛すべき人たちの”漫画録”」
  • 「『作品が子供だとしたら、『夕凪の街 桜の国』は他の人に嫁いで別の人生を
    歩み出した感じ。でもこっちの作品は今だに心配なんです(笑)』
     数々の賞に輝き、映画化もされる『夕凪〜』が、作者・こうの史代にとって
    手の離れた子供だとしたら、最新作『さんさん録』はまだ目の離せない子供の
    ようだ。ただ、その主人公の参さんは子供どころか『じじい』。亡き妻の生活
    ノート”奥田家の記録”を片手に、同居を初めた息子家族の世話をする専業主夫だ。
    『”おじいさん”を主人公にしたり、家事の豆知識ものにしたり、あえて苦手な
    ところに挑戦したので自信がなかったんです。ただ、幸い多くの方に気に入って
    いただけて。『アクション』の連載で年上の読者の方も多かったので、感情移入
    してもらいやすかったのかもしれないですね。家事に関しては、男性に”自分も
    できそうだ”って思ってもらえるように簡略化して描いてます。肉じゃがの作り方
    が出てきますが、あれも基本的なもので、本当はもっと具を入れた方がおいしいん
    ですよね(笑)』
    (中略)
    『結婚関係にしてもそうですけど、自分とは明らかに違う人間が家族という縁で
    結ばれて、一緒にいることでいろんな経験や発見ができる。それってすごく不思議
    だし、面白いですよね。そういう点をこれからも作品に描いていけたらと思ってます』」
  • (取材・文:渡辺水央(こうの史代)、浅野智哉(レビュー)
    撮影:カキモトジュンコ(パーシモン))
    (引用以上)

2006年10月 「AERA COMIC ニッポンのマンガ 手塚治虫文化賞10周年記念」(朝日新聞社/定価:本体1,048円+税)

(以下引用)

  • p.194 2005年第9回新生賞
    『夕凪の街 桜の国』 双葉社 こうの史代
    • PROFILE(こうの・ふみよ)
      1968年9月28日広島県生まれ。中学時代からマンガを描き始める。とだ勝之、杜野亜希、
      谷川史子のアシスタントを経て、95年『街角花だより』を初めて商業誌に発表。
      01年、放送大学教養学部人間の探求専攻卒業。
      主な著書に『ぴっぴら帳(ノート)』『長い道』『さんさん録』『こっこさん』。
    • 選考委員評
      傑作などと呼ばれる必要はない。この作品は誰もが必ず一度は読んで心にしまっておく
      『財産』になるだろう。(荒俣宏氏)
  • p.195**199 「みんな”手塚”が好きだった!/受賞作家が推薦、お気に入りの手塚作品」
    • p.199で、こうのさんは、「キャプテンken」を推薦。
      「漫画の王道を思い知りました。
      展開も画面構成も、
      そして登場人物の誰もが魅力的で、
      衝撃でした。
      こんな作品が描けたなら、
      わたしはもう一生
      漫画描けなくていい。
      出合って23年経った今も読むたびそう思います
      こうの史代」
      (引用以上)

2006年10月  押切蓮介「ドヒー!おばけが僕をペンペン殴る!」(太田出版/本体650円+税)の帯に、こうのさんによる推薦文

(以下引用)

  • 帯(表)「うわ!!いつにもましてヘンなまんがばっかしじゃないの!!
         これ読んで2日・・・ずっと世界がぐにゃぐにゃに見えてるんですけど」
         by こうの史代先生
    (引用以上)

「小林よしのり責任編集長 わしズム Vol.20 2006年秋号」(小学館/定価1,000円)

(以下引用)

  • p.189**191 「われら、わしスト党! 読者のページ」
  • p.189 「こんにちは。『わしスト党』担当の酒井です。さてさて前号『「戦争論」
    以後』には度肝を抜かれた方が多かったのではないでしょうか。100ページを
    超える総力特集の巻頭漫画はこうの史代さんの描き下ろし!(中略)
    発売直後から話題沸騰!!小学館の郵便室をパニックに陥れるハガキの嵐(ちょっと
    大げさ?)となりました。ここで感想を一挙に紹介いたしましょう」
  • p.189 「こうの史代さんの『古い女』、よいですね。何の変哲もない漫画のふりを
    して、最後に鋭い独白が出てくる。気がついたら1日に1回は読まずにいられなく
    なっていました。読めば読むほど味が出る、まるでスルメのように味わい深い。
    飾り気はありませんが、とても魅力のある作品でした。『夕凪の街 桜の国』も買って
    読みました。完全に中毒状態でハマっています。また『わしズム』に描いてほしいです。
    (大東正 41歳)」
  • p.190 「今号は本当に読み応えのある1冊でした。最初は印刷ミスかと勘違いして
    内容も結末も衝撃を受けた『古い女』。私は古い男?と思わず考えてしまいました。
    『61年目の恋文』は今まで女性の視点からの戦争を知ることがなかったので、大変
    よい勉強になりました。(金城学 26歳)」
  • p.190 「こうのさんの『古い女』も大反響でした。広告ちらしの裏に描くという演出
    に書店などから『印刷ミスではないか?』との問い合わせが多数。実はかくいう私も
    はじめは『こりゃ大変なミスだ』とあたふたしてしまいましたが、最後まで読めば
    ご理解頂けましたよね?
     肝心の作品の感想はというと、驚くほど千差万別十人十色。ただ、すべての読者に
    非常に深い印象を刻んだことだけは間違いないようです」
    (引用以上)

「OZ magazine」 2006年11月 20日号 (スターツ出版/330円)

  • p.46 「マンガから、生きるヒントを教わった LIFE/オンナを磨く マンガ128冊」
    (以下引用)
    「罪悪感を抱きながら、戦後のヒロシマに
     生きる女性のけなげな姿に号泣
     2007年夏に映画公開が予定されている話題作。戦後
     数年経った広島で暮らす皆実。欲しいものもあれば、
     恋もする。けれど彼女は、あの運命の日―8月6日を忘
     れることができなかった。そして自問自答を繰り返す。
     「私は生きていていいんだろうか」と・・・。
     共感ポイント
     「原爆スラムの中で、生きていることに罪悪感を抱き
     ながらつつましく生きる主人公が切ない。歴史には残
     されない、小さな人々の小さな人生とその重みに感動
     します(32歳)「"原爆は悲惨だ"と言葉にされる以上
     に、ラストの白いコマが胸をえぐる」(29歳)」
    (引用以上)

「月刊まんがタウン 2006年12月号 VOL.73」(双葉社/特別定価320円)

(以下引用)

  • p. 77 「映画 『夕凪の街 桜の国』 来年8月公開!」
    「特報 感動を呼び続ける名作がついに映画化!!」
    「来夏公開の映画『夕凪の街 桜の国』のクランクアップ記者会見が9月19日、
    都内で開かれた。『被爆から何十年も苦しみながらも頑張って生きている人がいる
    ことを世界の人に知ってもらいたい。同時に生きていくことの素晴らしさを伝え
    たい』と主演の田中麗奈さん(26)は熱っぽく語った。
     原作は漫画家こうの史代さんの同名漫画で、被爆体験に悩む終戦10年後の女性
    と、被爆2世の現代の女性の姿を通し、戦争の悲惨さと家族愛を静かに伝える名作。
    2004年の発売以降25万部に達するロングセラーで、ストーリーは折り紙つき。
    来年5月にはカンヌ映画祭へ出品も予定されている。話題集中必至の
    『夕凪の街 桜の国』に今から大注目だ!!」
  • 写真(上段左から、こうの史代さん、堺正章さん、佐々部清監督、
    下段左から、藤村志保さん、麻生久美子さん、田中麗奈さん、中越典子さん)
    (引用以上)
  • (同誌同記事の内容は、「漫画アクション 2006年10月17日号 No.20」
    p.122の記事のと、ほぼ同一と思われます)

「週刊朝日」 2006年12月 1日号 (朝日新聞社/320円)

  • p.164 「Front Face/田中麗奈(26)」
    (以下引用)
    「(前略)来夏、広島原爆を描いた映画が公開される。自ら熱望し、
    ヒロインを演じた。社会性の強い映画に、転機を予感させる(後略)」
    (引用以上)

「亜東書店 新着・近刊図書案内 2006年11月号 No.071」

  • p. 35 『夕嵐之街桜之国』** 河野史代著、涂愫芸訳
    T(台湾)尖端 103頁 邦貨1,176円
    *「夕凪の街 桜の国」の中国語版。
  • p. 6
    「書名の後に**印がある書籍はご注文をお受けしてからの発注になります。
     中国書の場合2〜3ヶ月、台湾・香港・韓国書の場合1〜2ヶ月を要しますので
     あらかじめご承知おきください」

「QRANK(クランク) 2006 VOL.17 最終号」 (サンクチュアリ出版/定価690円)

(以下引用)

  • p.11 「QRANK NEWS!/撮影現場レポート/『夕凪の街 桜の国』」
  • 「移りゆくときの中で描かれる、戦争の爪痕と家族の愛」
  • 「原爆の爪痕がまだ色濃く残る昭和33年と、現代の2つの時代が1つの物語
    として展開される『夕凪の街 桜の国』。今作が撮影中とのことで、早速8月1日と
    3日に現場に訪れた。現代の東京で暮らす七海(ママ)を田中麗奈、昭和33年の
    広島に生きる皆実を麻生久美子という、日本映画の最前線で活躍するふたりの女優が
    演じる。
     この日、皆実の生活シーンと、それを見つめる七海(ママ)のイメージ・シーンが
    撮影された。『戦争映画だが、家族の絆がテーマの人間ドラマ。観てくれた人に
    七海(ママ)と皆実という女性を好きになってもらいたい』と監督。田中は真剣な
    表情で演技に臨み、麻生は明るく素朴な女性・皆実を嬉々とした演技で見事に演じて
    いた。このふたりが一体どんな魅力ある女性を観せてくれるのか、今から楽しみに
    させられる現場だった」
  • 写真1(『続けて戦争映画を撮ることになったのも、映画の神様の仕業』と語って
    いた監督。)
  • 写真2(皆実の母と七海(ママ)の祖母として、2つの時代を生きる女性を演じる
    藤村志保。)
  • 写真3(昭和の広島を見つめるシーンに臨む田中麗奈。ふたつの時代を繋ぐ重要な
    シーン。)
  • 写真4(『皆実という女性に魅かれ、絶対に演じたいと思った』と語る麻生久美子。)
    (引用以上)

「L25(エルニジュウゴ) 2006.12.15 No.4」(リクルート)

  • p.31の「今号の自分力BOOK/今回のお題:もっと上手に愛されたい」に、
    「長い道」が紹介
    (以下引用)
  • 恋人はいてもあまり愛情に満ちた関係ではないとしたら。それは
    ある意味、女性にとって恋人がいないことより切実な悩みだろう。
     彼にもっと振り向いてもらいたくて、にわか仕込みの恋愛テクニック
    に走ってみたり、とにもかくにも女っぷりを上げる努力をしてみたり
    する人は多いと思う。(中略)
     道はキレイになったりもしないし、自分磨きもしない。では武器は
    何かと言えば、道の尋常ではない大らかさがもたらすポジションだ。
    七夕の短冊に『女よこせ』と書く荘介にあっけらかんと『叶うといい
    ですねえ』と答え、電気やガスが止められてもアルコールランプでの
    煮炊きをおままごとのように楽しむ道。お笑いにボケとツッコミがない
    と成り立たないように、替えがきかないと思われる存在感を示して
    愛される。
     『・・・今さらイヤだって言ってもおれもう別れてやんないかもよ』
    という荘介の告白。そこまで言われたらやはり女冥利(みょうり)に
    尽きると思うのだ。
    (引用以上)

「オレンジページ 2006年12月17日号」(オレンジページ/定価280円)

(以下引用)

  • p.142**143 「映画化された人気コミック大研究」(取材・文/おかむら良)
  • p.143 「被爆女性の人生と、その50年後の家族。日本人だからこそ描けた、
    深くヒューマンな感動ストーリー」
    「正直なところ『こういうコミックもあるのね』と驚いた。こうの史代の
    『夕凪の街 桜の国』は、若い被爆女性・皆実を描く『夕凪の街』と、
    彼女と同年代の姪・七波の『桜の国(一)(二)』で構成されている。
    皆実が原爆症で倒れ意識がなくなるときの、真っ白なページで涙が止まらなく
    なる。いい作品と出会ったという深い感動と、平和は大切だとあらためて
    思わせる力がある。
     この映画は来年の公開で、まだ完成していない。映画化した佐々部清監督は、
    『チルソクの夏』では日本と韓国の高校生の初恋を、『カーテンコール』では
    在日差別を、現代に生きる女性の目を通して描いてきた。今回も田中麗奈が
    演じる、現代の七波がヒロインになっている」
    (引用以上)

「iモードで遊ぼう!特別編集 aimo(アイモ) 2006 WINTER」(企画・編集 メディアワークス/ドコモショップで無料入手)

(以下引用)

  • p. 12** 17 「泣きたいときの特効薬 感涙必至の本&DVD傑作ガイド」
  • p. 15に、「夕凪の街 桜の国」紹介
  • 「原爆がどんな形で潜んでいたのか 誇張せず描き留めておきたかった」
  • 「『読者さんから『書いてくれてありがとう』と言っていただけるのが、
    この作品の一番の特徴ですね。普段はこちらが『読んでくださってありが
    とう』なのですよ。温かく受けとめてもらえて、本当に幸運な作品だと思い
    ます』
     2005年一番の感動作と評され、第9回手塚治虫文化賞新生賞&第8回
    文化庁メディア芸術祭大賞のW受賞も果たしたこの作品。原爆投下から10年、
    昭和30年の広島を舞台に、ひとりの女性を通して原爆の惨禍が描かれている。
    ごく短い物語なのに、大きく揺さぶられる感情。こうのさん自身も、この作品
    を書いたことでさまざまな変化を実感している。(中略)
     投下直後でなく、10年、数十年後の広島を描いた理由、それは、こうのさんが
    この作品で一番伝えたかったことでもある。
    『原爆について語られるとき、『被爆の苦しみは今も続いている』と言われます
    よね。『夕凪の街』では10年後、『桜の国』では42年後と59年後に、それが
    例えばどんな形で潜んでいたのかを誇張せず描き留めておきたいと思いました』
     戦争とは、原爆とは。この作品をきっかけに、今までなかった感情が心に湧いて
    くるはずだ」
    (引用以上)

「Weekly ぴあ 12.28/1.4 No.1181」(特別定価350円)

(以下引用)

  • p. 36**37 「読み逃し厳禁! 年越し前に読みたい本18」
  • p. 36に、『さんさん録』紹介
  • ヒロシマのその後を淡々と描いた名作『夕凪の街、桜の園(ママ)』
    から2年。こうの史代の最新作は、妻に先立たれた参平の物語。
    家のことはわからない、嫁や孫ともぎこちない、不器用な
    ”じじい”の姿がほろ苦く、可笑しい。
  • 私たちが当たり前にやり過ごしている、ふだんの家族との時間が、
    実はどんなものにも代えがたい宝物であることを教えてくれる
    コミック。今年、最も泣けた作品かもしれない。(浅野智哉)
  • へそ曲がりのじいさんが亡き妻の遺したノートを頼りに家事をし、
    息子と向き合い、嫁や孫と関わろうとする。それだけの話なのに
    心に沁みる。目つきの悪〜い孫の乃菜が可愛い。(ぴあ編集部)
    (引用以上)

「現代漫画博物館 1945−2005」(小学館/4,410円/2006年11月20日初版第1刷発行) 

  • p.377で、「夕凪の街 桜の国」が紹介
    (以下引用)
  • 第8回文化庁メディア芸術祭賞・第9回手塚治虫文化賞
  • 広島で生まれ育った著者が被爆者や被爆二世の視点で描く2編。
    家族を失った哀しみと貧しさのなかでも淡々と日々を生きる被爆女性。
    生き残った後ろめたさがつきまとい、愛する人にさえ幸福感を素直に
    あらわせない。それでも前向きに生きるが被爆の影響が徐々に身体を
    蝕む。女性の死後は遺族である弟の娘に視点を移し、二世たちにも
    残された被爆の影響への不安と周囲の偏見などの現実をあるがまま
    穏やかに描く。被爆国日本の過去を新たに提起した佳作。
  • 初出 「夕凪の街」 『週刊漫画アクション』(双葉社) 03年 9月30日号
    /「桜の国(一)」 『漫画アクション』(双葉社) 04年 8月 6日号
    /単行本(同) 04年10月 「桜の国(二)」
    (引用以上)

「現代漫画博物館 1945−2005 別冊・資料編」(小学館/4,410円/2006年11月20日初版第1刷発行)

  • 「漫画作家人名事典」のp.36で、こうの史代さんの略歴が紹介
    (以下引用)
  • こうの史代(こうの・ふみよ)
    1968年、広島県に生まれる。95年、「街角花だより」でデビュー。
    「夕凪の街 桜の国」で2004年、第8回文化庁メディア芸術祭賞、
    05年、第9回手塚治虫文化賞を受賞。海外でも出版され評価される。
    そのほかに、「こっこさん」「長い道」「ぴっぴら帳」などがある。
    同人誌活動でも知られる。
    (引用以上)

「月刊まんがライフオリジナル」2007年 2月号 VOL.357(定価:300円)の、寺島令子先生の「リビング東京/江戸東京編・中野 2」(p.151**154)

  • p.154の最後のコマに、「『桜の国』の舞台にもなった住宅街」や
    「公園の水道塔」が登場

「ダ・ヴィンチ」2007年 3月号 (メディアファクトリー/定価450円)

  • p. 66 「本屋さんがおすすめするレコメン本 第24回」で、
    今月のブックマスター・山下書店渋谷南口店の本田百合香さんが、
    「長い道」を紹介
    (以下引用)
  • 気負わない、頑張りすぎない日々の暮らし
    『夕凪の街 桜の国』作者が描く夫婦生活
  • こうの史代さんと言えば、広島の原爆を題材にした『夕凪の街 桜の国』の
    作者として有名です。『ダ・ヴィンチ』でも「2005年 プラチナ本
     OF THE YEAR」に選ばれたので、お読みになった方も多いの
    ではないでしょうか。今回ご紹介する『長い道』は、そんなこうのさんが
    描くちょっと変わった夫婦のお話です。とはいえ『夕凪の街』とはまったく
    違う作風。一編一編、肩の力を抜いて楽しめる短編集です。
     この作品に登場するのは、甲斐性なしの夫・荘介と脳天気な妻の道。
    愛し合った末に結ばれたわけではなく、なりゆきで結婚してしまった夫婦です。
    荘介は仕事も長続きしませんし、大の女好き。道はかつて好きだった人に
    心を残しています。そのため夫婦の間で波風が立つこともありますが、
    それでもふたりの関係は揺るがないんです。特に大きな事件が起きるわけ
    でもなく、夫婦の春夏秋冬を淡々と描いていますが、ふたりの心は少しずつ
    寄り添いあっていく・・・・・・。この夫婦のようにどこまでもお互いを
    許しあえる関係は、私の理想、あこがれです。(中略)
     私にとって、漫画は仕事であると同時に娯楽。近頃は読むのにパワーが
    いるものより、力を抜いて楽しめる作品が好みです。気負わない、頑張り
    すぎない荘介と道の物語は、疲れたときに読むと心が落ち着き、ほんのり
    あったかい気持ちになれます。何かと悩んでいた時期には、1日1回読んで
    いた気がしますね(笑)。リセットのスイッチのように、読んでいる間に
    力が抜け、心地よい気持ちになれる大切な作品です。
    (引用以上)

「SWITCH」2007年 3月号 (スイッチ・パブリッシング/定価:本体700円+税)

  • p. 104**107 「麻生久美子/The glasses and how she see」
    (以下引用)
  • (前略)また、自身の転機として『時効警察』と共に彼女が挙げたのが
    映画『夕凪の街 桜の国』(初夏公開予定)だ。そこで出会った役のこと。
    『自分の中に役がいるという感覚は、これまで何回かあったんですが、
    初めてそれを超えた感じがしたんです。自分と役との境がなくなって、
    普段もどこかに役柄を感じているというのとは違って、変な言い方ですが、
    私の前世はこの人だったんじゃないかって思ったくらいです。まあ、実在
    しない人物ですが。だから、役を理解しようとする心が自然と湧き出て
    きました。そうじゃないとその役を演じきることが出来なかった、
    と言ってもいいかもしれません。二段階ぐらい一気に登っちゃったから、
    女優という職業がまたよく分からなくなってしまったところはあります。
    でも今は、明らかに以前とは違った景色が見えています』
     その新しい景色を、彼女はどんな言葉と表情で伝えるのだろう。
    今はその景色を真っ暗なスクリーンの奧に想像し、待つことにしよう。
    (引用以上)

「月刊まんがタウン 2007年 5月号 VOL.78」(定価300円)のp.132に単行本「街角花だより」の広告

  • ファン待望!ついに単行本化!!
    ACTION COMICS(A5判)双葉社 定価:760円
  • お待たせしました!!
    充実の内容!!
    ●2月号掲載分も含めた新旧『街角花だより』を完全収録!
    ●さらに描き下ろし(未発表)の挿話を追加!
    ●短編作品『俺様!』『願いのすべて』を同時収録!
    大絶賛大好評発売中!!
  • 映画「夕凪の街 桜の国」 2007年 7月28日公開!!

「ダ・ヴィンチ」2007年 6月号 (メディアファクトリー/定価450円)

  • 特集1「読めば言いふらしたくなる よみがえる都市伝説」
    • p. 24**26 「著名人インタビュー&アンケート 私の好きな都市伝説」で、
      こうの史代さんは、
      「『カシマ幽霊』より恐ろしい?タクシーで聞いたあの話」を紹介

「キネマ旬報 2007年 5月下旬号 No.1483」(キネマ旬報社/定価820円)

(以下引用)

  • p. 88**89 「撮影現場ルポ『夕凪の街 桜の国』」
  • 「スタッフに言いました。この原作を映画化することに誇りを持って参加
    してください、と。僕はこれまで、日本語の日本人による日本映画を撮って
    きましたが、今回だけは世界の人に観てもらいたいと思っています。それは、
    日本人にしか撮れない原爆の映画だからです」
     佐々部清監督がこう話す「夕凪の街 桜の国」は、同名のコミック
    (こうの史代・著)を映画化する感動作。原爆症を抱えたある家族が、
    時代の異なる二つの物語で綴られる。撮影は、昨年の7月18日にインし、
    埼玉県のSKIPシティに建てられたオープンセット、広島や群馬などで
    行われた。
     現場を訪れたのは、前半部分「夕凪の街」の撮影だった。麻生久美子扮する
    皆実が、原爆で父と妹を亡くし、自分だけが生き残ったことに対する罪悪感を、
    思いを寄せる打越(吉沢悠)に吐露するという、この映画の中で最も重要な
    場面の一つ。(中略)
     昨年は、黒木和雄監督が4月に、今村昌平監督が5月に亡くなっている。
    黒木監督が「TOMORROW 明日」と「父と暮らせば」を、
    今村監督が「黒い雨」という原爆をテーマに映画を作っていることを
    考えれば、その年の夏に「夕凪の街 桜の国」という原爆をテーマにした
    映画に取り組む佐々部監督とスタッフ・キャストが、使命感を持って、
    先人たちの遺志を受け継いでいるように思えてくるのだった。
     撮影は、「夕凪の街」パートの撮影を終え、田中麗奈がヒロインを演じる
    「桜の国」へとバトンタッチし、8月24日まで続けられた。(後略)
    (取材・文=編集部)
    (引用以上)

「ダ・ヴィンチ」2007年 8月号 (メディアファクトリー/定価450円)

  • p. 42**43「『夕凪の街 桜の国』映画化記念対談
    /田中麗奈(主演女優)×こうの史代(原作者)」

「月刊まんがタウン 2007年 8月号 VOL. 81」(定価300円)

  • p.18 映画「夕凪の街 桜の国」鑑賞券プレゼント(50組100名様)

「映画秘宝 2007年 9月号」(洋泉社/定価1050円)

  • 表紙&巻頭グラビア 麻生久美子
  • p.78**79
    拝啓、前防衛大臣様。
    この映画を観ても
    「原爆はしょうがない」
    と言えますか。
    『夕凪の街 桜の国』
    平成の名アルチザン
    佐々部清監督インタビュー

http://www.eigahiho.com/index.html

「+act.プラスアクト 2007 VOL.12」(ワニブックス/定価980円)

  • p.22**27 田中麗奈
    「人として向き合った『夕凪の街 桜の国』で感じた終わらない思い」
  • p.90**93 吉沢悠(よしざわ・ひさし)
    「『夕凪の街 桜の国』でスクリーンに帰ってきた吉沢悠を動かしたもの」

「キネマ旬報 2007年 8月上旬号 No.1488」(キネマ旬報社/定価820円)

  • p. 1** 4 「FACE 2007/麻生久美子」
  • p.58**64 作品特集「夕凪の街 桜の国」
    • 佐々部清【監督】インタビュー/金澤誠
    • 作品評/佐藤忠男
    • 原爆を描いた映画/編集部

http://www.kinejun.com/kinema/next.html

「ロケーションジャパン 2007年 8月号」(地域活性プランニング/定価500円)

  • p.52**55
    作品クローズアップ 違う時代に生きるふたりの女性の
    生きる喜びと平和への願いが胸に沁(しみ)る
    広島を舞台に撮影された『夕凪の街 桜の国』

http://www.chiikikassei.co.jp/Lj/

「Macco(真っ向) 2007年 第9号(最終号)」(日本郵政公社/無料)

  • 表紙とp.1**2に、田中麗奈さんが登場
    「今を生きることで届けられる喜び」
    (映画「夕凪の街 桜の国」についてのコメント)
  • 「田中麗奈さんの直筆サイン入り映画パンフレットを5名様にプレゼント!」

「ヒロシマフリーク Freak 2007年 7月号」

  • p.75 『夕凪の街 桜の国』
    「広島から伝える平和の尊さと、愛と、生きていくことの喜び」

「とらいあんぐる 2007年 8月号」(山口県内情報紙)

  • p.43 「スクリーン・インフォメーション」に、
    映画「夕凪の街 桜の国」の紹介記事

「ダ・ヴィンチ」2007年 11月号 (メディアファクトリー/定価450円)

(以下引用)

  • p. 242**243 「筍の本棚/映画化された原作本」で、「夕凪の街 桜の国」が紹介
    • 原爆投下から10年の広島を舞台に、被爆して生き延びた女性の姿を描いた
      「夕凪の街」、被爆2世の女性を描いた「桜の国」を収録した悲しくも美しい
      問題作。佐々部清監督、田中麗奈、麻生久美子らの主演で映画化され今年7月に公開。
      現在はノベライズも発売中。
      (引用以上)

「月刊 まるごと周南。」2007年 9月号 vol.001 (株式会社シティーケーブル周南/無料)

(以下引用)

  • p. 23 「周南で観る!映画紹介/『夕凪の街 桜の国』」
    • 被爆という十字架を背負った
      主人公たちに比べれば、
      私たちは頑張れるかもしれない…。
    • 日本映画にまた新たな傑作が誕生した。その映画は「夕凪の街 桜の国」。
      監督・脚本を手がけたのは、下関市出身の佐々部清監督。人間魚雷「回天」の
      悲劇を描いた「出口のない海」に続き、今度は広島への原爆投下が背景になっている。
       「『出口…』もそうですが、戦争を扱っても、僕が描いているものは家族だったり、
      純愛だったり、一歩踏み出そうとする人の有様ですから、それは僕の映画に一貫
      している」と監督は言う。
       この映画は2つの時代に生きる2人の女性の姿を「夕凪の街」「桜の国」という
      2つの物語で描き、生きることの素晴らしさ、平和の尊さを静かながら力強く謳い上げる。
      こうの史代さんの原作コミックは数々の賞を受賞し、名作の呼び声も高い。
      (中略)
       「被爆」という宿命を、世代を超えて乗り越える家族の姿に、広島での完成披露試写会
      では、感動の大拍手が沸き起こった。監督も「やっと合格印をもらった感じ」とホッとした
      という。この時の舞台挨拶では、「この原作を映画化するスタッフ、キャストになれたことに
      誇りを持とう」と呼びかけたエピソードを披露した。
       「この映画は、被爆という十字架を背負った主人公たちの話。今、普通に生きている人も、
      いじめや格差など、誰もが何らかの荷物を背負っている。ひょっとしたら、この映画の
      主人公たちの十字架に比べれば、頑張れるかもしれない。特に『桜の国』の七波は、
      現代に生きる女性で愛しく撮ったつもり。その姿から生きる”勇気”を感じ取ってほしい」。
       佐々部監督の熱い想いは、しっかりとスクリーンに刻まれている。
      (引用以上)

「Kure:ban くれえばん」2007年10月号 NO.247(定価370円)

(以下引用)

  • p. 30**31 「こうの史代さんの新作『この世界の片隅に』は、我が町呉が舞台」
    • 漫画「夕凪の街 桜の国」を知っているだろうか?また、同名の映画が現在(8月末)
      封切られているが観ましたか?
       「夕凪の街 桜の国」は2004年に発行されて売り上げは30万部を越えて、
      今もなおロングセラーとなっている単行本である。
       「夕凪の街」は、広島の原爆投下から10年後、一家で被爆した主人公は、母と共に
      明るく生きていた。しかし主人公の恋も成就しようというとき、原爆症で生涯を終える
      という物語。
       「桜の国」は、「夕凪の街」の主人公が死んだ後の弟一家の物語だ。父親の不可解な
      行動を追ううちに、被爆者を母に持つ自分のルーツを再確認する−。
       ”多くの戦争体験(マンガに限らず)で、どうしても掴めずに悩んでいたものが、
      ようやく解きほぐせてきた思いです。その意味でこの作品は、多くの記録文学を凌いで
      います。”というのは、漫画家のみなもと太郎さん。作家のこうの史代さんを評して、
      実に漫画界この10年の最大の収穫と讃えている。
      (中略)
       こうの史代さんの新作が「漫画アクション」で連載されているのをご存知だろうか?
      「この世界の片隅に」という戦時中の呉市を舞台にした物語である。
       「夕凪の街−」を描いた後、”何か描き残している”という思いがいつもあり、
      ”何かさけては通れない物にぶつかってしまった感じ”というこうのさんのあみ出す
      物語の舞台は呉市でなければならなかった!?
       その物語は、昭和18年12月に始まる。広島の江波に育った主人公の浦野すずは、
      軍都呉へ嫁ぐ。嫁いだ先は、呉市中長の木町。灰ケ峰の麓に広がる坂の住宅地だった。
      海軍工廠技師(原文ママ)の夫一家と共に暮らすことになったすずの日常を、作者は
      淡々と明るく描いていく。
       中でも、わが呉弁のリアルさについニヤリとさせられたり、当時の暮らしを実に
      詳細に描き出す作者の力わざに感服させられるのだ。当時の呉市を再現する絵には、
      ”建物疎開”や”あっぱっぱ”など今では死語になった言葉の注釈が欄外に記されて
      いたり、当時の料理はイラスト付きで詳しく教えてくれたり、何とも想像力をかきたてる
      連載漫画なのである。また”この世界の片隅に”という題名こそ、連載を重ねるごとに、
      読む者を少しずつ時代や国を越えた普遍的な物語なんだぞ、”おめおめ油断なさるな”
      という作者の想いが伝わってくるのである。
       9月4日発売号で第15話。時は昭和19年9月。原爆投下まで後11ヶ月。
      呉空襲まで10ヶ月。
       この物語、どの時代まで続くのか−!?呉市に住む私たちにとって、誠に興味深い、
      スリリングな漫画が、今連載され続けている。是非御覧下さい
    • 上/夫・周作と共に、入港する戦艦大和を見つめる場面(第7回より)
    • 下/ヤミ市へ向かう途中、澤原家土蔵の前を通るすず(第13回より)
      (引用以上)

「ダ・ヴィンチ」 2008年 3月号 (メディアファクトリー/定価450円)

(以下引用)

  • p.201 「厳選!注目の新刊コミック」
    戦中ヒロシマの小さな花嫁 『この世界の片隅に』上巻
    • 『夕凪の街 桜の国』で話題を呼んだこうの史代の最新作。太平洋戦争の続く昭和19年、
      呉に嫁いだ平凡な女性・浦野すず。上巻で描かれるのはなんてことのない日常だが、
      彼女たちを待つ運命を想うとキュッと胸が締めつけられる。
      小さな幸せの貴さが深く心にしみる。
      (選・芝田隆広)
      (引用以上)

「東京ウォーカー」 2008年 2月26日号

http://www.walkerplus.com/book/bm001195/bo002261.html

「FLASH(フラッシュ)」 2008年 5月 6日号(光文社/定価360円)

  • p. 77 「漫画家魂」(リレー連載 9)で、ビッグ錠氏が、「夕凪の街 桜の国」を推薦
    (以下引用)
    • 「どうせ面白くないだろう。文化庁が選んだ漫画なんて」って思ってたんだけど、
      たまたま息子が持っていて読んだんだ。もう、あっという間に読み終わってさ(笑)。面白い!
       僕はね、昭和14年生まれで、最後の大阪空襲に遭った。その壮絶なシーンが頭に残っていて、いつか僕も戦争をライフワークとして描きたい、戦争とはどういうものだったか残しておきたい、そういう思いがずっとあった。そこに、この作品でしょ。魅力ある絵、細やかな描写、
      映画のような構成、台詞の選び方、ユーモアのセンス、何より「広島出身だからといって
      原爆漫画を描くのは嫌だった」という彼女のスタンスがいいな、と。
       いやいや嫉妬なんてないよ。こんな表現ができるんだって、むしろマンガというメディアが
      ちゃんと進化しているとわかって、嬉しくなっちゃった。というわけで、今は漫画から少し
      離れている僕に、漫画の魅力を再認識させてくれたのが、この1冊なのです。
      (引用以上)

「ダ・ヴィンチ」2008年 6月号 (メディアファクトリー/定価450円)

(以下引用)

  • p. 67 「名作『夕凪の街 桜の国』ついに文庫化」
    • 2004年10月に刊行された「夕凪の街 桜の国」(こうの史代)は、
      異なる時代を生きる女性二人を通して、驚くほど静かに深く、
      原爆とは、戦争とはなんだったのかを描いたマンガである。
      その表現の新しさは数々の賞に輝き、昨年の映画化でも多くの賞を受賞。
      そして、この4月ついに文庫に。作品に魅せられた多くの人々の言葉から、
      本作のすばらしさを伝えたい。
      (引用以上)

「FLASH(フラッシュ)」 2008年 5月27日号(光文社/定価360円) 

  • p. 91 「漫画家魂」(リレー連載10)で、こうの史代先生が、「エリートヤンキー三郎」を推薦
    (以下引用)
    • 阿部秀司さんのことは『ヤングマガジン』を愛読していた夫に勧められて知りました。
      何よりテンポがよくて、ギャグが多彩で”笑わせる”ためなら形にとらわれない。
      そんなどこか冷めているようで、それでも常に捨て身の姿勢に度肝を抜かれ、すっかり
      ハマってしまいました。また世界の育て方、キャラの扱い方が丁寧で、だから主人公の
      三郎が出てこなくても、絵柄が変わっても、ちゃんと阿部ワールドになってしまうんですよね。
       私は漫画禁止の家庭に育ったんです。でも、親の目を盗んでは読み、描くようにもなり、
      20歳のころにはプロを意識するようになりました。そのころ影響を受けたのは滝田ゆうさん。
      ホラー、ギャグ、下町の古きよき人情、何でもありの作風に憧れました。阿部秀司さんは
      あのころの憧れを、別の形で与えてくれる気がしています。そうですね、そんな彼の描く、
      阿部ワールド全開の嫁姑モノとかいつか読んでみたいです(笑)。
      (引用以上)

「CREA(クレア)」 2008年 9月号(文藝春秋/特別定価680円)

  • p. 64 「読書の快楽!/私の心を震わせた3冊の本」で、女優・麻生久美子さんが、
    「夕凪の街 桜の国を「バイブル(的な本)」として推薦
    (以下引用)
    • 同名映画への出演がきっかけ。
      「一家に一冊おいてほしい。命の尊さや感謝の心など、大切なことを改めて
      考える機会を得たコミックです」(双葉社 ¥840)
      (引用以上)

「Kure:ban くれえばん」 2008年07月号 NO.256(定価370円) 

(以下引用)

  • p. 36**37 「こうの史代さんの呉への思いを込めた『この世界の片隅に』」
    • くれえばん読者の皆様こんにちは。
       私は今、戦時中の呉を舞台にした漫画『この世界の片隅に』を「漫画アクション」(双葉社)に連載しています。
       物語は昭和十八年の暮れ。主人公はすずという広島からやって来た十八歳の娘。灰ケ峰のふもとに住む二十二歳の海軍の文官の許へ嫁ぐところから始まります。絵が少し得意なほかはごく平凡なすずが、呉で出会う人や風景、戦争のかけらを描いてゆきます。
       私は生まれも育ちも広島市です。呉市は母の故郷で、幼い頃から年に何度も遊びに来ました。電車がトンネルに入ったり出たりするたびに「夜だ」「朝だ」と寝たり起きたりのふりをして忙しく過ごし、バスの車内広告が動くのが珍しくて変わるたびにいちいち読み上げました。広島にはない古い優しげな町並みと、それに似合わず荒々しく駅前を駆けて行く大きな青いオート三輪、物静かだけどおちゃめな祖父母と、夕陽にきらきら笑う竹藪。いつかこの町に住もう、と私は心に決めたのでした。
       それで十八歳からは、祖父を亡くした祖母と二人で呉で過ごし始めました。
      昭和の末のことです。(中略)
       読み切りのような小さな枠では呉の戦災は語りきれない、と感じました。だから連載という形でゆるゆる描かせて貰うことにしました。
       とはいえあんまり長いと間延びするので、二年ぐらいが適当だろうか、そうだ平成と昭和を入れ替えた時間軸で描いてみよう、と思い立ちました。そこで綿密な年表を作りました。その時その時に起こる事や、そのためにあらかじめ描いておかなくてはいけない事を年表と睨めっこしながら描き進めることにしました。そして平成十八年の暮れに昭和十八年の暮れを描き始め、今は昭和二十年六月、三度目の大きな空襲を描いているところです。つまり今年の八月で終戦を迎える事となります。
       呉で暮らした私は、広島の大学に通い、中退し、アルバイトをし、漫画を描いて、二十歳で上京を決めました。今思えば私のこれまでの人生の中で最も迷いの多い二年間でした。しかし不思議なことに、上京して二十年近く経った今も、締切りに追われたり辛い時には決まって、呉で過ごした日々を夢に見るのです。夕陽のさす坂の町の祖母はいつも笑っています。
       亡くなってしまった祖父母からは、呉での戦争体験を殆ど聞くことはありませんでした。でも、正しく導いてくれる魂に、私は知らないうちにいくつも出会っている気がします。また、呉に住むという私の夢を、今はすずが代わりに叶えてくれていると思います。
      友達からの手紙のようにこの作品に触れて頂けると有難いです。(こうの史代)
  • p.93 「編集長の鍋/木戸俊久」
    • ○月○日
       こうの史代さんが来呉。前日は故郷の広島市で、自作コミックの映画「夕凪の街 桜の国」の映画会にゲストとして出席してきたそうだ。そしてこの日は、川尻町の光明寺での河野家の法事に出席して、入船山記念館で調べものをしてきたと言われた。
       今月号の本誌に、こうのさんが描かれている「この世界の片隅に」についてのエッセイを掲載している。この物語は、戦中の呉を舞台に、広島から呉に嫁いだ女性の小さな新しい世界を、淡々と描いたものだ。数々の賞を獲得したコミックの名作「夕凪の街 桜の国」に勝るとも劣らない出来と評判の作品である。
       今から63年前の7月1日の呉空襲、8月6日の原爆の日、そして、続く戦後の日々−。現在連載中の「この世界の片隅に」のラストはどうなりますか?とこうのさんに聞いてみた。物語をどう終わるかは、もう少し描いてから、と言われる。力まないで、自然の流れで行きつくところがあると思います、というこうのさんの姿と主人公すずの姿が重なって見えたのである。
       食事をする中で、呉出身の作家田中小実晶さんのことで話が盛り上がった。もっと小実晶さんの小説を読みたいと言われる。戦後、小実晶さんは、中国から引き揚げて呉に帰った。その当時のイギリス連邦軍に出入りしていたことを描いた小説は、坂口安吾の「堕落論」に通じるものがあり、こうのさんには特にオススメしたのである。(後略)
      (引用以上)

Last-modified: 2008-08-16 (土) 22:04:55